マナーうんちく話535≪五風十雨≫
最近公民館、女性大学、地域、教育委員会、諸団体等からの「年中行事」に関する講演依頼が増えてきました。10日は正月を控え「年末年始行事のしきたりとマナー」について講演いたします。
日本の祭りがユネスコの無形文化遺産に登録されたこともあり今後ますます増加すると思います。
年中行事は私が主催する「バラ色未来創造大学」や「善男善女の自分磨き講座」でも毎回取り上げるテーマですが、関心を持つ人が増えてきたことはとても喜ばしいことだと思います。
日本人である以上、日本の伝統行事は正しく理解するとともに、次世代に語り伝えていきたいものですね。
その中で、先ず基本知識として「二十四節気」「七十二候」「旧暦」「満年齢と数え年」「左上位と右上位」「偶数と奇数」「ハレとケ」、さらに時間が有れば「年中行事と和食の関係」についてお話しをしますが、最近これらのことについては大変なじみが薄れてきたように痛感します。
日常生活の中では至る所で生きているのですが・・・。
ところで12月7日は二十四節気の一つ「大雪(たいせつ)」です。
文字通り本格的な雪の季節になるという意味です。
2週間前が「小雪」でしたから、それより寒さが進み、雪が盛んに降りだす頃になるわけですね。
ところで雪に対してどんなイメージをお持ちでしょうか。
地域により様々だと思います。
私が住んでいる「晴れの国」ではあまり降らないので「雪=白」のイメージが湧きますが、豪雪地帯になるともっと恐ろしいイメージの「灰色」や「黒」になるかもしれませんね。
雪の結晶は大変美しく、先人は「雪の華」「瑞花」「六華」等と粋な名前を付けていますが、豪雪地帯になると雪下ろしをしなければいけません。
道路の確保も大変で苦労がしのばれます。
また雪の重みで木が折れないようにする「雪吊り」は冬の風物詩です。
さて寒さが厳しくなってくると大変なことばかりではありません。
ピーマンのような夏野菜は終わりになりますが、大根や白菜の冬野菜は喜んで甘みを増してくれます。
我が家にも白菜や株や大根が少しありますが、まさに晩秋から初冬が旬です。
熱々のふろふき大根は冬の定番メニューですね。
そして空にかかった重苦しい、黒くて厚い雲は冬ならではの光景ですが、同時に町がキラキラ輝く頃でもあります。
「イルミネーション」がひときわ夜空を美しく照らし、多くの町で多彩なイベントが繰り広げられています。
寒風に吹かれながらコートに手を入れて眺めるイルミネーションは、街の元気や人の温かみを醸し出してくれます。
ちなみにイルミネーションの歴史は古く諸説あるようですが、ドイツの宗教改革で知られるマルチンルターが、夜ミサの帰りに森の中で美しく輝く星に感動して、木の枝に多くのローソクを飾ったのが始まりだと言われています。
その後エジソンにより白熱灯が発明され、それが今のイルミネーションの原型になったとか・・・。
今ではLEDの普及でフルシーズン見られるようになりましたが、今の私たちは旧暦の風流も、西洋の文明も謳歌でき、本当に恵まれていると思います。深謝。
最高気温が0℃未満の「真冬日」を観測するのはまだ先のことでしょうが、確実に寒さが増してくる頃です。加えて新年を迎える準備で何かとあわただしくなる時期でもあります。
心も体も温かくして元気でご活躍下さい。