マナーうんちく話1364《日本人なら知っておきたい12月の歳時》

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:歳時記のマナー

師走の声を聞くようになると、街行く人達の装いが急に真冬並みになり、木枯らしと共に「山装う頃」から一気に「山眠る頃」へとなびいていきます。

この時期を代表する言葉に「木の葉時雨」や「木の葉雨」があります。

先人は何かにつけ自然の移ろいを詳細に観察していたのでしょうね。
木の葉が舞い散る様子や音を「時雨」や「雨」に例えてつけられた名前です。

寒さが身にしみる中、木の葉が音もなく舞い散るのを見ると、なんとなく心がさびしくなりそうですが、残された一月を元気に歩みたいものですね。

ところで我が家の金柑がそろそろ色づき始めましたが、七十二候では「橘(たちばな)」の実が黄色くなる時期でもあります。

最近はかんきつ類と言えばオレンジやレモンやグレープフルーツ等が、なじみが深いようですが、日本原産の柑橘類は橘だそうです。

そして常に青い葉を繁らせ、香り高いので、昔は橘が理想郷のシンボルでもあったようです。

さて12月は「師走」と表現されますが、お正月の準備に取り掛かる大切な時期です。

歳神様を迎えるにはその年の汚れを落とさなければなりません。
大掃除はその目的で行われますが、同時に心身も清めます。

歳神様、つまりご先祖をお迎えするわけですから、住まいも自分自身も清めておく必要があるという古来の考えです。

こうして元日を迎えるわけですが、新しい年をこれだけ丁寧に準備して大々的に祝う国は他にないと思います。

加えて日頃お世話になっている先輩や上司に「御歳暮」を贈る時期でもあります。夏に「お中元」を贈られた人も多いと思いますが、お中元を贈ったら御歳暮も贈るのが普通です。

お中元にせよ御歳暮にせよ、誰かに「贈り物」をするということは、いくら気を使っても気を遣いすぎることはありません。

今年は特別にお世話になったからと「今年だけ贈る」のも構わないと思いますが、出来ればこれからずっと贈る気持ちで真心をこめて下さい。

すなわち先ずは感謝の気持ちを添えて、「誰に」「どうして」「何を」「いつまで」贈るのかを明確にすることが大切だと思います。
12月13日頃までがお勧めです。

できれば風呂敷に包み持参するのが一番です。
気持ちがより伝わります。
宅配便を利用する場合は感謝の気持ちを一筆添えて下さいね。

御歳暮がすんだら年賀状です。
クリスマスイベントは年々盛大に繰り広げられますが、結局日本では「クリスマスカード」は流行りませんでしたね。

なんだかんだと言っても年賀状の国だということでしょうか。

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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