マナーうんちく話504≪あなたなら、どう答える?≫
以前「聞き上手」について触れましたが、これと同じくらい好感度が高まる所作に「謙虚上手」が有ります。
最近は何かと自己主張する人が増え、とかく「わたしは・・・」「わたしは・・・」になりますが、時には謙虚になることも大切ではないでしょうか。
日本人好みの非常に美しい言葉ですが、念のために「謙虚」という言葉の意味に触れておきます。
「謙」は「へりくだる」「ゆずる」「控えめ」という意味が有り、「虚」は「うわべだけで中身が無い」「からっぽでなにもない」という意味を有しています。
この二つの漢字が組み合わさって「控えめでつつましやかなさま」という意味になります。
つまり「謙虚」とは、控えめでつつましい事、へりくだって相手の意見などを受け止める、自分の能力や地位におごることなく、素直な態度で人に接することです。
なかなか該当する人は少ないかもしれませんね。
一方謙虚の反対は「傲慢」です。
いつも上から目線で見る、偉そうにする、人をばかにする、プライドが高い人はいませんか?
和の礼儀作法に「三辞三譲」という言葉が有ります。
例えば和室の会食会の席で、冒頭に挨拶を頼まれたら、どんな偉い人でも、どんなお金持ちでも「いやいやわたしなんか・・・」と言って一度は辞退して、他者に譲る精神です。
つまり、昔から日本人が大切にしてきた「わたしは謙虚な態度を持っていますよ」という表現です。
「謙虚な心」は「おもてなしの心」「思いやりの心」「感謝の心」と共に日本人が大切にしてきた精神です。
次世代にも伝えたいものですが、国際社会では通じないかもしれません。
あくまで臨機応変が大切です。
ここがマナーの難しいところですが、経験を積むのが一番でしょう。