マナーうんちく話453≪冬来りなば春遠からじ≫
今年は5月1日が日曜日でしたから、こどもの日が過ぎたらすぐに「母の日」がやってきます。
もともと日本には「母の日」はなく、この習慣が入ったのは1945年の終戦以来ですが、今では5月の第2日曜日は母の日としてすっかり根付きました。
「こどもの日」や「父の日」と同様、贈り物がたくさん売れるので、もってこいのビジネスチャンスになり、デパートや商店が思い思いの戦略を凝らし母の日をアピールしたので瞬く間に日本中に広がったわけですね。
それに日本人独特の「思いやりの心」が加味され、人気イベントになったのでしょう。
しかし、もとは1908年頃、アメリカのアンナ・ジャービスと言う女性が、5月9日の母の命日に、協会でカーネーションを配ったのが起源です。
そしてその数年後、時の大統領ウイルソンが「世界中で最も良い母である、貴方の母に捧げる祝日」と名付けたと言われています。
日本では個人を偲んでお寺などで法事を執り行いますが、彼女はお母さんの命日に教会で「記念の会」を催し、そこで母がこよなく愛した白いカーネーションを配ったそうです。
この行為が多くの人に感動を与え、ついに大統領が母の日と定めたわけですね。
アメリカの一庶民の行動が世界中の人を巻き込んだ、素晴らしイベントです。
物を贈るのもいいですが、お母さんが喜ぶ事を出来る範囲でして絆がより深まればいいですね。
《親孝行 したいときには 親はなし》という諺があります。
親の苦労やありがたさが解る頃には、親はもうこの世にいないと言う意味です。
つまり、親が生きているうちにしっかり親孝行をしなさいと言う訓えです。
ではなぜ思うように親孝行出来ないのか?
日本人の国民性でしょうか?
昔から日本には「恥ずかしい」と言う文化があり、特に親子間では顕著です。
加えて「優しさ」はさりげなく発揮するというのも日本人の美徳です。
マナーは「思いやり」「感謝」「尊敬」の心を抱き、それを言葉や態度や文章で具体的に表現することですが、親子間ではどうしても恥ずかしさが先に来ます。
だから日頃の感謝の気持ちを具体的に表現する母の日を、最大限に活用するのもお勧めです。
最近は超高齢化、少子化、核家族化が進展し、家族関係は大きく変化してきました。さらに親孝行の仕方も親子の数だけ存在します。
無理をせず、自分の出来る範囲で親孝行を考えてみるのもいいものです。
《石に布団を着せられず》と言う諺があります。
死んでしまってはもう遅いと言う意味です。
今、出来る範囲でしたいものですね。
そしてお母さんが輝けば家庭が輝き、地域も社会も明るくなります。
おおいに輝いて頂きたいものです。
最近お母様方を対象にした講演依頼が多くなりました。