マナーうんちく話502≪会話の中に季節の話題を積極的に!≫
《世の中に たえて桜の なかりせば 春の心は のどけからまし》(在原業平)
桜が美しく咲けば咲いたで、散るのが心配だ
この世の中に桜の花が無ければ春の気持ちはもっとのどかでいられるのに・・・。
桜前線が気になる頃ですが、晴れの国岡山では3月26日(土)から「岡山さくらカーニバル」が開幕します。
寒の戻りで、桜が足踏みしており、開花宣言には至りませんが、いよいよ春本番と言ったところでしょうか。
「花は桜木、人は武士」と言われるように、日本人と桜は切っても切れない関係ですが、ハイテクを駆使した娯楽が全盛の今でも、昔ながらの「花見」は健在ですね。
むしろ現在の方が、昔よりより敏感になっている気がします。
源氏物語の「花の宴」や、豊臣秀吉が催した盛大な「花見」は有名ですが、現代人も負けてはいません。
たとえば、現代人は近代科学を駆使して、昭和26年に気象庁が「桜の開花予報」を発表し、平成22年から民間業者がこれを受け継いでいます。
予め指標として定めた標本木の桜のつぼみが、5輪から6輪咲いたら「開花宣言」を行い、以後「3分咲き」「5分咲き」「7分咲き」、そして80パーセント以上咲いたら「満開」、さらに「散り始め」などと刻一刻、桜の開花の状況を報じてくれます。
恐らく世界でもあまり例がないことではないでしょうか。
加えて平成4年には、「日本さくらの会」が3月27日を「桜の日」と定めました。
日本の歴史や文化、気候風土と深くかかわってきた桜を通じ、日本の自然や文化について関心を深める目的ですが、多くの日本人に是非知って頂きたい記念日だと思います。
日本の四季の美しさは世界的に有名ですが、春夏秋冬といった四季だけではなく、24の「気」という季節つまり「二十四節季」と、それを三等分にした72の「候」と言う季節つまり「七十二候」があります。
明治の初めまでは日本の暦は旧暦だったわけですが、旧暦を基準に生活していた頃は、このような季節の移ろいを非常に繊細に感じ取って暮らしていたわけです。
その七十二候では3月26日から30日頃までが「桜始開(さくらはじめてひらく)」頃です。
そして語呂合わせもいいですね。
3(サ)×9(クラ)=27
「桜の日」が3月27日になった理由がお解りいただけたと思いますが、実はこの「サ」は実は米を主食にしている、日本人にとって大変なじみの深い神様なのです。
これを知れば花見がより楽しくなります。
詳しくは次回をお楽しみに。