マナーうんちく話453≪冬来りなば春遠からじ≫
3月は全国津々浦々で送別会が行われますが、はやり「送別会」は夏のビアパーティーや年末の忘年会とは異なります。
日頃の人間関係にもよりますが、送られる人も、送る人も寂しさを伴い複雑な気分にもなります。
こんなときこそ幹事の腕の見せどころです。
送別会が、感動する会になるか、なんとなく後味の悪い会で終わるかは幹事の器量次第でしょう。
幹事の心配りがとても大切だということです。
送別会については過去にも詳しく触れましたが、今回は今までとは少し視点を変えて考えてみたいと思います。
移動にせよ、退職にせよ職場単位で送別会をする機会は非常に多いわけですが、先ずは職場全体で、送別会を「するか」「しないか」を決めなければいけません。
するとすれな、いつ、どのように、そして誰が幹事を務めるかを決めます。
そして幹事が決まれば、幹事は先ず主役に軽く打診します。
喜んでいただければ事はスムーズに生きますが、「送別会はしてくれなくていいよ」と言って辞退する人も結構います。
こんな時にはどうします?
一回辞退されたからと言って「そうですか」とあきらめないでくださいね。
このコラムでも依然触れましたが、日本には昔から「三辞三譲」ということばがあります。
読んで字のごとくで「辞退も譲るのも三度まで」と言う意味で、礼法の一つです。
日本人の美徳を表現した美しい言葉ですが、解釈は難しいです。
勧められても三回辞退するのが良いようですが、時と場合によります。
たとえば、他家を訪問して上座に勧められたら、一度は遠慮して謙虚な気持ちを表現するのはお勧めですが、それでもと言われれば「では、お言葉に甘えさせていただきます」と言って相手の気持ちを素直に受けたほうがいいでしょう。
話を元に戻します。
送別会を主役から一度は断られても、再度勧めてみて下さい。
それでも断られたら、次は主役の上司や、それなりの人に勧めてもらうのがお勧めです。
さらに断られたら、送別会は無しにして、餞別を贈られたらいいでしょう。
「本音」と「たてまえ」。
人の心の中を探るのは難しいところですが、経験を重ねながら感性を磨くしかないでしょう。