マナーうんちく話569≪泥より出でて、泥に染まらず≫
12月の声を聞くとなんとなく焦りを感じたりしませんか?
一年の締めくくりである師走に慌ただしくなるのは、現代人も昔の人も同じではないでしょうか。
特に今はクリスマスあり、正月の準備ありで]何かと多忙になります。
12月の行事の「なに?なぜ?」について触れてみます。
クリスマス商戦たけなわですが、12月13日は「正月事始め」です。
具体的に何をするかと言えば「煤払い(すすはらい)」をする日です。
昔は炊事をするのに薪を焚くわけですが、そうすると家じゅうに煤が蔓延します。だから、清潔にして神様をお迎えするために、その煤を払うわけです。
神様も綺麗な所がお好きなわけですね。
ちなみに、江戸時代には武家も町人も一斉にこの日に葉煤払いをしたそうです。
決められた日に、決められた事をして、秩序を保っていたようですね。
今でも年末に一年の埃や汚れを落とすために大掃除が行われますが、その起源はどうやらこの辺にありそうです。
また、お寺などでは、年末の風物詩として実施され毎年話題になります。
それが大正時代頃まで行われていたようですが、この頃になるとあまり早くから大掃除をしても正月までに汚れてしまうので、現在のようになったと言われています。
それにクリスマスイベントが加わりますので、これが終わらないと気分の切り替えが難しそうになったわけです。
煤払いが終われば「松迎え」があります。
山に松の木を切りに行きます。
なんのためでしょうか?
正月に神様が里帰りされるに当たり、その依り代になる「門松」に使用するためです。
この日に、煤払いを済ませ、松の木を切ると一段落して、その夜はご馳走で楽しく過ごします。
そして、正月事始めにあわせて用意するものの中に「お歳暮」があります。
次回は再度お歳暮に触れてみます。