マナーうんちく話101≪グラスと貴婦人の乳房≫
今はカルチャスクールや女磨き講座が盛んですが、昔の「花嫁学校」をご存知でしょうか?
幸せな結婚に恵まれ、良妻賢母になるために、料理、華道、茶道、加えて家事を教える学校のことで、昭和40年代の頃です。
中でも特に重要視されたのが行儀作法です。
お茶やお花が花嫁修業にとりいれられたのは、ひとえに美しい立ち居振る舞いや、他者に対する思いやりの心でしょう。
そしてその頃から、冠婚葬祭を始め、多彩なマナー教本が相次いで出版されるようになってきたわけですね。
高度成長と共に、日本が豊かになったことが大きな理由です。
まさに「衣食足りて礼節を知る」でしょうか・・・。
「習い事」や「花嫁修業」という言葉は時代と共に失せてしまいましたが、マナーやコミュニケーションの重要性はますます高まっていますね。
加えて、「生きることは食べること」ですから、よりよく生きるために「テーブルマナー」の重要性は益々高くなります。
そしてこれは日本だけではありません。
欧米でも昔からマナー教育は盛んです。
今回はアメリカの「ティファニーのテーブルマナー(Tiffanys Table Manners)」に触れておきます。
ティファニー社はニューヨークに本店がある宝飾店ですが、宝飾店がなんでマナーの本を出すの?と思われる方も多いと思います。
上流階級の子女を対象にしたマナーの学校は欧米には多々ありますが、ティファニーの製品を身に付けるような人は、比較的上流の人でしょうから、的を射ている気がします。
つまり、「ティファニーの製品を身にまとうような人には、是非素敵なマナーを発揮して頂きたい」という理由で発刊されたようですが、ブランドイメージとテーブルマナーは非常にマッチしていると思います。
高級な銀器やガラス器、陶器などが理路整然と並ぶ食卓と、ティファニー社とは、非常に関連があるわけですが、そのような食卓には素敵なテーブルマナーが求められます。
特に、家庭の食卓において子どもの躾はとても大切ですが、このテーブルマナーは、概ねイギリスやアメリカの家庭で躾られている標準的なテーブルマナーです。
今まで和食のテーブルマナーに数多く触れてきましたが、国際化に備えて是非このマナー教本にも関心を持たれる事をお勧めします。
世界屈指の「飽食の国」「美食の国」である日本では、西洋料理も和食にも恵まれているだけに、全てにおいて、美しい食べ方が要求されるということです。
次回は具体的な食べ方に触れてみます。