マナーうんちく話453≪冬来りなば春遠からじ≫
カボチャをくりぬいて提灯のようにしたり、仮装したり、お菓子をねだったり、昨日は神様(神道)・仏様(仏教)の国である日本でも、ハロウイーンのイベントが全国的に盛大に繰り広げられましたが、11月1日はキリスト教では「万聖節」で聖人を記念する日です。
そして日本では、旧歴11月を「霜月」と呼びます。
文字通り「霜が降る月」と言う意味ですが、実際にはまだひと月くらい先のことです。
さらに11月は「神楽月」とも言われます。
神楽が盛んに行われたから名付けられた名前です。
ちなみに「神楽(かぐら)」とは、神様に楽しんでいただくために、神の前で演奏する舞楽のことです。
語源は「神座」で、最初は「かむくら」、次に「かんぐら」になり、これが最終的には「かぐら」に転じたという説が有力です。
また「神座」は、単に場所のみではなく、所作全般までさすと言われています。
ところで、日本の信仰は縄文の頃に遡ると言われていますが、神様が降りて来られたら丁寧にお迎えして、先ずは今年の豊作や子孫繁栄や長寿や厄除けを祈願する神事を行います。
その後神様にお楽しみいただくために、楽器を演奏し、それに合わせて舞い踊ったのでしょうね。
最初は神に対する畏敬や感謝の気持ちを込めてお持て成ししたのが、やがて多くの人々の笑いを誘う娯楽が目的となったような感がしますが、メイド インジャパンの「お持て成し」の原点はどうやらここにあるような気がしてなりません。
ちなみに、お持て成しには「ハード面」と「ソフト面」がありますが、神楽のハードはそれ自体素晴らしい文化ですね。
衣装や面、そして雅楽など等。
加えてソフト面も素晴らしい物があります。
「感謝」「尊敬」「おもいやり」といったマナーの根源を成す3要素全てが至る所にちりばめています。
また、お持て成しとは《「表」「無し」》、つまり表裏が無いというわけですが、神の前ではいつも心が清らかですね。
ビジネスの世界で頻繁に使用されている「おもてなし」の目的は最終的には営利ですが、神の前では常に無償のおもてなしです。
なぜ、そうできるのでしょうか?
これから夜が長くなり、昼が短くなるにつれ、太陽の勢いも弱くなってきます。
そしてそれに連れ魂まで衰弱するので、昔の人は鋭気を養う為に神楽をこの時期に待ったのでしょうか・・・。
つまり神様に喜んでいただくために自分らも喜びとしたように思うのですが・・・。
兎に角、太陽の力に委ねる所は多かったようですね。
世界中で見られる現象でしょう。
霜が降りて来るようになると鍋が恋しくなってきます
皆でフグ鍋でも囲みワイワイガヤガヤ
お持て成しの心でお楽しみください。
次回は河豚の話題を予定しています。