マナーうんちく話92≪優雅さが自慢!和の作法≫
以前にも触れましたが「秋」の語源は、実りの秋、収穫の秋を迎え食べ物が飽きる位出回るからという説が有力ですが、いよいよ食欲の秋到来です。
テーブルマナーに関わって40年になります。
40年前に比較すると、今の日本の食事情は大きく変化しましたが、テーブルマナーでは、「和食」も「洋食」も一貫して「美しい食べ方」に重きを置きます。
なぜなら、何度もお話ししていますように「生きることは食べること」ですから、美しい食べ方は身も心も美しい生き方に直結するからです。
しかし、現在の日本は世界一「飽食の国」、「美食の国」ですが、お世辞にも美しい食べ方とは言えないと痛感します。
何もかも恵まれた先進国でありながら、「孤独死」「自殺」「いじめ」「離婚」等の矛盾が多いのは、このためだと言っても過言ではないでしょう。
だから、私が担当するマナー講座は「テーブルマナー」を最優先します。
食品業界におけるコマーシャル戦線の中において、美しい食べ方は微弱なモノですが、それでも講義をお聞きいただいた方から美しい食べ方を実行し、「夫婦仲が良くなった」「家族間に団らんが生じた」「子どもに落ち着きが出てきた」「人付き合いがスムーズになった」「姿勢が良くなった」「生活にめりはりが出てきた」等々のお話を聞くことが結構あります。
ところで、「美しい食べ方」とはどんな食べ方だと思いますか?
一言で言えば周囲への配慮です。
周囲とは非常に範囲が広く、下記のように多種多様なものが含まれます。
○同じ食卓を囲む全ての人
○料理を作ってくれた人
○料理をサービスしてくれる人
○食材や飲み物
○食器や箸やスプン等
○食文化など
さらに、共に食卓を囲む人に不快感を与えず、好感を与える食べ方です。
不快感を与えないためには、食卓に着く前の身だしなみや姿勢も大切です。
加えて、美しい箸使いやフォーク・ナイフ・器・グラス類等の扱い方も大切です。
料理のスピードも皆と歩調を合わすことで、テーブルマナーではとても大切な要素です。
会話の内容も大切で、楽しい話題に集中してください。
勿論、ご馳走には「笑顔」がお似合いです。
次に、料理を作ってくれた人やサービスをしてくれる人、さらに食材や食器に至るまで、感謝の気持ちを込め、食べ残しをせず、綺麗に、美味しく食べることです。
欲を言えば、今、口にしたものがどんな食材で、どんな特徴があり、どんな調理方法で作られているのか等が把握できれば最高です。
そして、一口、一口、食べ物と真摯に向き合うことです。
食事を終えた後は、お皿や箸の置き方まで美しく保って下さい。
その人の品格はここに出ます。
人を採用したり、仕事の相棒になる人、結婚相手になる人等は、その人がどんな人かキチンと把握することが必要ですが、そんな時には、和食でも洋食でもいいですから、共に食事をしてみて下さい。美しい食べ方が出来る人は信頼できる人だと思います。
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