マナーうんちく話1033《「花」と「箸置き」のある食卓の多大な効果》

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:和食テーブルマナー

数十年も前、ホテルのフレンチレストランでマネージャーをしていた時のことです。日頃あまり親しくはしていませんでしたが、定期的にご利用いただいていたお客様がいました。

有る日、そのお客様からの指名で、ご家族のレストランウエディングを担当させていただくことになりました。

ちなみに数あるレストランの中から、あえて私を指名して頂いた理由を伺うと、「いつもレストランのテーブルの上に季節の花が生けてあり、とても好感が持てた。花を愛する人は心が優しい人だから、是非あなたに家族の結婚式を担当して頂きたい」とのことでした・・・。

花の効果は大きいですね。

日頃は何でもない食卓が、一輪の季節の花を生けるだけで「何かある雰囲気」に変わるわけです。

家庭の食卓しかりです。

さらに、「箸置き」まで用意すると、食卓は最高にコーディネートされます。
経費はごくわずかで、大きな効果が生まれということです。

日本は世界屈指の四季が美しい国ですから、できれば季節を先取りした花がお勧めですが、身近な花でもかまいません。

花をとり変えるのが面倒で有れば、緑の葉でもいいでしょう。
とにかく、季節の花やグリーンの葉で、清楚で落ち着ける空間を作ることです。

これらを飾ることで、心が和らぎ、生活を楽しく、気持ちを豊かにする効果が生まれます。

特に育ち盛りの子供がいる家庭や、高齢者のいる家庭は、部屋が汚れやすいものです。だからこそ、食卓だけは家族が落ち着けるようにして下さい。

休日も綺麗な食卓でコーヒーを飲み、新聞を読むのもいいでしょう。
要は、どんな時でも家族が安らげる空間を一つだけ作っておくことです。

散歩の時、道端でみかける雑草をお洒落に飾ることで、食卓は見違えるくらい素敵に演出でき、家族の優しさや暖かさが交差します。

そして「箸置き」です。
日本の家庭では、「箸置き」を使用している割合は、せいぜい2割から3割くらいだと思います。

和食のマナーは、「箸に始まり箸に終わる」と言われます。
そして、箸は「一寸先が命」です。
つまり、箸で汚れていいのは、せいぜい3㎝くらいだということです。

先人は箸先で食卓が汚れないように「箸置き」を考案しました。
また、箸置きがテーブルに置いてあると、「これから食事が出て参りますよ」と言う合図になります。

このように、箸置きは、テーブルの小さなアクセサリーで有り、小さなお持て成しの気持ちを形にしたもので、素晴らしいコーディネートになります。

さらに、これがあるだけで食事の時の姿勢が良くなり、箸使いまで美しくなります。だから、料理を残さず、美しく食べるようになります。

ところで、日本人の肥満度は世界と比較すると、そんなに高くはありませんが、ダイエット情報が氾濫しているせいもあり、一時的な体重の増減に一喜一憂している人が多いのに驚きます。

でも箸置きを使用し、料理を口に入れるごとに、箸を箸置きに置く癖をつけると、咀嚼回数が飛躍的に増え、ダイエット効果が期待できます。
箸置きは、究極のダイエットに繋がると言うことです。

咀嚼回数が増えることにより得られる多大な効果は《マナーうんちく話994是非実践したい標語【卑弥呼の歯が良いぜ】》を参考にして下さい。

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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