マナーうんちく話1018《日本人なら知っておきたい「立秋」の知識とマナー》

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:歳時記のマナー

連日の猛暑で身も心も疲れ気味ですが、蝉しぐれが一段と強くなってきました。
最後の力を振り絞って、大切な仕事を成し遂げなければいけないので、蝉も大変です。

そして空を見上げると、雲の様子に変化が見られるようになりました。

今までは入道雲のように垂直に発達していた雲が、鰯雲やうろこ雲と言われるような水平な雲に、徐々に変わりつつある感がします。

さらに吹く風にも微妙な変化が感じられ、ほんのわずかですが秋の気配が漂うようになりました。

加えて、「我も香」等の秋の花がお目見えしました。
この花は秋を代表するにもかかわらず、秋の七草には入っていません。
お世辞にも美しい花とは言えないからでしょうか?

そして秋の七草である女郎花、桔梗、芒もすでに自己主張しています。

今回は、今までこのコラムで何度も触れましたが、おさらいの意味も込めて、改めて二十四節季の一つ「立秋」についてのお話しです。

夏至と秋分の中間である立秋は、平成27年は8月8日(土)ですが、実はこの日から秋になると言うより、秋が誕生した日と捉えて頂いた方が良いかもしれませんね。

日本は四季が明確に分かれていて、それぞれに節目があるわけですが、8月8日の立秋に、急に夏から秋に変わるわけではありません。

この日に秋が生まれ、最初の秋の気配が感じられ、以後、夏や秋を交互に繰り返しながら、徐々に秋になるわけですね。

だから、立秋は、一年で一番暑さがピークに達する頃で、これから次第に暑さが和らぎ、すごしやすくなってきます。
寒さがピークの時は立春ですが、それと同じ理屈ですね。

そしてこの時期はある意味では、二つの季節が感じられる時でもあります。
夏を惜しむ人もいれば、秋の到来を心待ちにしている人も多いと思います。

では、立秋になったら、何がどう異なるのでしょうか。
ファッションも食べ物にも住まいにも大きな変化は見られないと思います。

しかし、これ以後の暑さは夏の名残の暑さ、つまり残暑と呼ばれるようになります。

従って、立秋以後の贈り物や手紙は「残暑見舞い」となり、概ね8月末頃を目安にすればいいでしょう。

立秋の他にも「立冬」「立春」「立夏」がありますが、これらの「立」はすべて「スタート」「始まる」の意味と捉えればいいと思います。

ちなみに、月の初めての日を「ついたち」と表現しますが、この「立つ」も始まると言う意味です。

少し固いお話になりましたので、甘いお話をどうぞ!

贅沢な果物ですが只今白桃が旬で、8月8日、9日、10日は「ハクトウ」の日です。贈答に是非お勧めです。
甘くてみずみずしい果汁は、猛暑で疲れた身も心もいやしてくれそうです。

また、これからは秋の気配を身近に感じるようになります。
夏が終わり、秋がま近に感じられる頃を「秋隣る(あきとなる)」と表現します。

目や鼻や耳の感覚を敏感にして、雲の様子、蝉の種類、虫の鳴き声、草木の様子等を出来るだけ細かく観察してみて下さい。

これが、自然と仲良くなる秘訣です。
自然と仲良くなれば、自然のことが気になり始め、自然と大事に付き合う気持ちが湧いてきます。

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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