マナーうんちく話996《7月2日は?「ブルームーン」と「半夏生」》

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:歳時記のマナー

はるか昔から、多くの人々に愛され、目印にされた星。
7月の星と言えば、七夕伝説に登場する「おりひめ星」と「ひこ星」が浮かんできます。

いずれも一等星ですが、今晩は月の明るい光で存在感が薄れそうです。
今日、7月2日は天気が心配ですが満月です。
そして次の満月は7月31日になります。

つまり今年の7月は満月が2回あるわけで、「ブルームーン」と言われます。

もともとブルームーンは、火山や隕石が落下する時に大量に発生する塵やガス等により、月が青く見える現象で、極めて珍しいことです。

これが「once in a blue moon」と表現され、「非常に珍しい」「決してあり得ない」等という慣用句になったわけです。

昔はこの現象が現れると不吉な前兆と言われましたが、最近ではブルームーンを見るとハッピーになれると言われています。
今夜は是非夜空を見上げて、満月を眺めて下さいね。
晴れるといいのですが・・・。

アメリカで生まれた、ジンベースのカクテル「ブルームーン」を飲みながら眺めるのもお勧めです。

そして日本の言い伝えでは、7月2日は「半夏生(はんげしょう)」ですが、ご存知でしょうか?

「八十八夜」や「二百十日」と同じく「雑節」の一つで、殆どの暦にも掲載されております。
七十二候の「半夏生ず」からきており、夏至から数えて11日目です。

「半夏」はサトイモ科の烏柄杓(からすびしゃく)」という植物のことで、どこでも見かけることが出来、小さな柄杓のような花が咲きます。

この花が咲く頃には、農家は田植えを終えておかなければいけません。
農作業における大きな節目になる時ですから雑節になったのでしょうね。

ところで、外国ではブルームーンの時は幸せになれると言われていますが、日本では半夏生の時は、空から地上に毒気が降りて来るとされております。

だから地域によっては、井戸に蓋をしたり、この日に収穫した野菜は食べてはいけない等という言い伝えがあったようです。もっとも、この通りにしたら市場は困りますけど。

今まで田植えで多忙な日々を過ごしたから、この日くらいは一服しなさいと言うことでしょうか?

「半夏雨」と言って、大雨に見舞われやすい時期でもあります。御用心下さい。

また半夏生は雑節ですから、地方により色々な風習があります。
うどんを食べる地域も有れば、蛸を食べる所もあります。

蛸は疲労回復効果が期待される食べ物ですが、蛸には足が八本あるから、蛸の足にちなんで、田植えをした稲の苗が、地中にしっかり根付くことを祈念して食べるわけです。

昨年はスーパーのチラシで見かけましたが、今年はどうでしょうか?

西洋の幸せになれる「ブルームーン」現象と、一休みする「半夏生」のしきたり。

「ところ変われば品変わる」ですが、どちらのしきたりを選ぶかは人それぞれですが、大切な事は、このような言い伝えに関心を持つことではないでしょうか?

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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