マナーうんちく話22≪「客」になった時のマナー≫
他家や他社を訪問して、部屋に通されたらお茶やお菓子、あるいはコーヒーにケーキなどを頂く機会が多々あります。
①この際、直ぐに頂くか?
②直ぐに頂いたらいかにもガツガツシテいるようなので、少し間をおくか?
判断に迷いますね。
貴方はどちらでしょうか?
出された茶菓は、直ぐに頂かれる事をお勧めします。
もてなす側はお客様に対して、出来る限りより美味しくいただけるよう気配りをします。
だから、温かい物は温かいうちに、冷たい物は冷たいうちに頂くのが基本です。
つまり、折角程良い温度で出して頂いた飲み物を、間を置くことで冷ましてしまっては勿体ない限りだということです。
猫舌の人も、程々のころ合いを見て頂いて下さいね。
この際、茶菓を出して下さったことに対して、先ずは「ありがとうございます」とお礼の言葉を発します。
次に「頂きます」です。
菓子が先か?お茶を先に頂けばいいのか?については、菓子が先と言う流派が多いようですが、明確な決まりは有りません。
私は茶も菓子も美味しくいただくために、渋いお茶より、甘い菓子を先にいただきます。
お菓子の頂き方ですが、菓子に添えてある菓子きり・黒文字・妻楊枝等を使用して、一口大に切り分けて頂いたらいいでしょう。
和菓子は季節を取り入れ、味もしかりですが、見る人の目も楽しませてくれますので、先ずは目で楽しんで下さい。
慣れるに従ってこのようなゆとりが出てきます。
また、これから花見のシーズンになりますが、「桜餅」等も旬を迎えます。
これは、葉っぱごと頂いてもいいし、葉っぱを除いて頂いても結構です。
菓子を桜の葉で巻いている理由は、菓子を乾燥から守るためと、埃や塵から守るためです。加えて、桜の臭いを菓子に移す役割があります。
このような事を考慮して、菓子の甘味と葉っぱの塩加減のハーモニーを楽しむか、あるいは菓子のみを頂くかは各自の好みによります。
葉っぱを残す場合は、葉っぱを下敷きにして黒文字や妻楊枝で一口大に切って頂き、最後に残った葉っぱを懐紙に包んで持ち帰ればいいです。
葉っぱごと頂く場合は、手で直接頂いた方がより食べ易いと思います。
桜餅や柏餅などは、頂く側のマナーより、お持て成しをする側のマナーが要求されます。
つまり、お客様が手で頂くことを想定して「おしぼり」等を添えてあげれば良いですね。
お茶の頂き方ですが、左手を茶椀に添え、右手で蓋を持って茶椀の真ん中で垂直に立て、蓋の裏についた水滴を落とします。
茶碗の右に蓋を置き、茶碗を右手で持ち、左手を底に添え、飲み終えたら元の状態に蓋を戻します。
飲み終えたら「ご馳走様でした」の言葉と共に前向きな感想をどうぞ。
次に季節の話題や天気の話題等に触れ、やがて本題に入ればいいでしょう。
茶菓を頂くと言うことは、単に喉を潤おすだけではなく、相手の心意気を頂くと言うことです。このことを認識することが大切です。