マナーうんちく話884《今日は立春、旧暦を愛して感謝のスタート》

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:歳時記のマナー

今や、暦やカレンダーと無縁の生活をしている人は少ないと思います。

元々暦は、月日を数えたり、読んだり、そして、その日の吉凶や年中行事等、およそ日常生活で必要とされていたものが満載されていました。

その点、今流のカレンダーは様々ですね。
年々、暦とカレンダーの違いが明確になって来た気がしますが、いかがでしょうか?

例えば、「電子カレンダー」は有りますが、「電子暦」は有りません。
反対に、今の季節の常とう句ですが、「暦の上では春です」と言いますが、「カレンダーの上では春です」とは言いません。

暦とカレンダー、それぞれ利点も有れば欠点もあります。

ただ、このコラムでは、一年のスタートである立春を起点として、単なる数字ではなく、自然と共生し、人生を心豊かに描いてくれる季節感漂う「旧暦」に思いをはせ、今まで触れて来なかった新たな視点で、これから一年を見つめて行きたいと思っています。

今、日本には、心理学・経済学・コミュニケーション等の分野において、様々な学問が入って来ています。

勿論歓迎すべきでしょうが、それが全てではありません。
日本人ならではの、感性や個性を見失っては本末転倒だと考えます。

例えば、虫の声や、花の香りや、月の形や、雨・風の様子等など・・・。
欧米人と日本人の価値観は大きく異なるでしょう。

満月を最も良し!とする欧米人もいれば、「十三夜」の月や「朧月夜」を愛でる日本人もいます。

心の原点でもある「宗教」の違いを理解する必要があると思います。
ほとんどの、欧米はキリスト教で有り、日本は仏教や神道です。

キリスト教は一神教であり、自分の神のみが正しいとします。
しかし、仏教や神道は、他にも正しいものは有ると捉えます。

だから、欧米の文化を大らかな気持ちで受け止め、キリスト教スタイルで挙式をしたり、クリスマスやバレンタインのイベントを盛大に繰り広げます。

勿論、営利目的は否定できませんが、欧米で神式の結婚式や盆や正月のイベントが展開されることはまずありえませんね。

加えて、欧米人はイエス・ノーがはっきりしますが、日本人は時として優柔不断だと言われるかもしれません。

他者を認め、正しいものが他にもあるわけですからで、むしろ、大変美しい心だと私は思います。

自然のとらえかたもしかりです。
日本人は、自然と同等の立場をとります。
だから自然と共生したり、自然を尊んだり、自然を恐れたりします。

欧米では、人間か自然を超越しています。
この考えは、欧米の庭園にもよくあらわれています。

日本の庭園は自然に沿って、上から下に水が流れますが、欧米の庭園は水を上に吹き出す噴水があります。
人間が自然を超越していると言うことでしょうか?

今日は立春。
一年のスタートで、「春一番」や「八十八夜」など、全ての起点になる日です。

そして、この日に汲んだ、まだ冷たい水が「若水」です。
これで料理をしたり、お茶を立てれば、その年は幸運に恵まれると言います。

水道水でもいいですから、先ずは感謝の気持ちで、一年のスタートを気持ち良く切りたいものですね。

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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