マナーうんちく話502≪会話の中に季節の話題を積極的に!≫
成人式にちなみ、振り袖の知識とマナーに触れておきます。
長い袂(たもと)の振り袖は、未婚女性の人生の門出の日に相応しい、第一級の礼装とされていますが、殆どの人が成人式で初めて着る方が多いと思います。
しかし、振り袖には長い歴史があります。
江戸時代の中頃になると衣食住が安定するようになり、それにつれて若者が振り袖を好んで着用するようになりました。
そして、若い女性のファッションとして定着するようになりました。
ただ寿命が短かった江戸時代は、当然結婚適齢期も10代半ば頃と若く、18歳を過ぎればもう若者ではなくなるので、たとえ未婚でも振り袖のたもとを切り、留袖にしたと言われています。
つまり、振り袖は結婚、未婚を問わず年齢に応じて着ていたのですね。
さて、折角の美しい振袖を着たら、それに見合う立ち居振る舞いが大切です。
現在の日本は物が大変豊かですので、成人式の日には、女性の多くは豪華な振袖を着用します。
つまり、振り袖の豪華さではあまり差は出ないということです。
しかし、立ち居振る舞いはそうはまいりません。
立ち姿、座わり方、歩き方、お辞儀の仕方、加えて態度や表情等など全般に当たり、それなりの振舞い方が求められます。
動作に区切りを付ける、動作の終わりをゆっくりする、視線の向きに注意を払う、指を綺麗に揃えるなど、ちょっとした心掛けて、より美しくなります。
美しい立ち居振る舞いは、さらに振り袖姿に箔が付くということです。
この機会に美しい立ち居振る舞いを心掛けて、普段とはまた異なる美しさを醸し出して下さいね。
○振り袖を着て歩く時
兎に角、姿勢を正して下さい。
背筋をまっすぐにのばして、「内また」を意識して、歩幅はいつもより少し短めがお勧めです。ややこしいようですが、着物を着たら歩幅は自然に小さくなります。
また、おろしたての草履(ぞうり)は鼻緒がきついので、予め少し緩めて置くこともお勧めです。
着物を着る前に草履をはいて、少し足を慣らすのもいいですよ。
ちなみに、今のように歩く時に左右の脚と交互に手を振って歩くようになったのは、明治時代からだと言われています。
○椅子に座る時
お尻から座る感じがお勧めです。
裾を前で重ね、上前と一緒に右手で軽く押さえれば大丈夫でしょう。
帯の形が崩れないように椅子に浅く腰かけ、足は綺麗に揃えます。
背もたれは有ってないものと心得て下さい。バッグを背もたれとお尻の後ろに置くと良いですね。
坐っている時は袖を膝の上で重ねて下さい。
また、柔らかめのソファー等にはなるべく座らないで、出来れば固い感じの椅子がお勧めです。
次回に続きます。