まなーうんちく話798《月々に 月見る月は 多けれど・・・。》
新年おめでとうございます
《マナーうんちく話》にお付き合いいただきありがとうございます。
お陰を持ちまして、昨年も素晴らしいご縁を数多く頂き感謝の至りです。
今年も何卒よろしくお願いいたします。
さて、日本は世界屈指と言われるくらい年中行事が沢山ある国ですが、中でも「正月」は最も長い歴史を有する行事です。
ところで、一月一日の午前中は「元旦」、一日を「元日」、3日までを「三が日」、7日までを「松の内」と言います
松の内とは、年神様が里帰りする時の依り代になる門松を、家の玄関に左右一対にして立てるわけですが、その門松がある期間のことです。
暮れに用意した、門松は7日に納めるわけですね。
ちなみに、門松を収めたら年賀状から「寒中見舞い」になりますからご注意ください。
ところで、昔の人は、新しい年には「歳神様」が里帰りすると信じられていました。
何のために歳神様がお帰りになるのかといえば、子孫に幸福をもたらすためです。
つまり、歳神様は一年に一度里帰りして、子孫に「豊作」と「健康」と「子孫繁栄」をもたらして下さるわけです。
さらに、歳神様から平等に一つ「歳」を頂く時でもあります。
正月になると年齢が1歳加算される「数え年」の原点はここにありますが、「お年玉」の由来もしかりです。
以上歳神様は、これだけの恵みをもたらして下さるわけですから、一年の始まりである正月は、家族総出で大晦日から徹夜して、歳神様をお迎えし、真心込めて精一杯お持て成しをしなければなりません。
既にお話ししましたが、歳神様をお迎えするに当たり、食べ物をお供えするわけですが、「お歳暮」はそれに由来します。
では、「歳神様」とはどんな神様なのでしょうか?
歳神様はご先祖の集合霊のことです。
亡くなって間がないか、あるいは数十年しか経過していない霊が「仏様」で、その仏様が里帰りする時が「お盆」だと認識して頂ければ良いと思います。
そして、40年、50年以上経過した霊は「歳神様」という認識で良いと思います。
「歳」は時間の区切りで有る「年」と、穀物の豊穣を表し「農耕神」とされています。その農耕神は時として「山の神」、「田の神」になられます。
春に「花見」がありますが、その由来は、桜の木の下に鎮座されると言われる山の神をお迎えに行き、桜の木を囲んで神様と人が飲食を共にする行事です。
そして「山の神」を里にお連れして「田の神」になって頂き、これから始まる田植えの無事を祈るわけです。
米は秋には収穫できますが、これに感謝するのが「秋祭り」です。
即ち秋祭りは、米の豊作を田の神様に感謝する大切な行事なのです。
田の神様を「お神輿」に乗せ街中を練り歩き、邪気を払って頂き、再び山にお帰り頂くわけですね。
昔も今も「生きることは食べる」ことです。
特に、日本は「瑞穂の国」と言われるように米の国ですから、米の出来、不出来により、向こう一年の命運が別れるわけですから、豊作をもたらして下さる歳神様を如何に丁重にお迎えし、お持て成ししたかは容易に解ります。
日本が世界に誇る「お持て成し」の原点は意外にここにあるのかもしれませんね。