マナーうんちく話791《上品で美しい食べ方①「はじめに」》

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:和食テーブルマナー

最初から恐縮ですが質問です。
ご自分の食事をする時の姿に自信がありますか?

日本の食卓は大きく変わりました。

つい半世紀前までは日本人の平均寿命も先進国の中では下から数えた方が早い位で、食生活も決して豊かではありませんでした。

しかし、貧しいながらも家族が揃って食卓を囲み、料理も質素だけど愛情のこもったお母さんの手作りが中心でした。

現在はどうでしょう?
確かに世界屈指の豊かな国になり、とても贅沢な食生活を謳歌しています。

しかし、「飽食の国」「美食の国」になりましたが、「幸せな国」にはなれていません。贅沢な食生活ですが、賢くて楽しい食卓ではないと言うことです。

豊かになったのは食べ物の種類や色やカロリー等で「心が通う食卓」は年々失せてきた感があります。

鶏症候群、別名「コケコッコ症候群」をご存知でしょうか。
最初の「コ」は「個食」、「ケ」は朝食の欠食、次の「コ」は個食、そして最後の「コ」は固食を意味します。

加えて、味付けの濃い「濃食」、パスタやうどんなど麺類ばかり食べる「粉食」、食事の量が少ない「小食」も有ります。

「生きることは食べること」で「幸福は口福から」とも言われます。
食べ物は贅沢だけど、食べ方が悪かったら、より良く生きることは困難になります。

多かれ少なかれ皆それなりの事情があります。
でも、「食事をゆっくり楽しむ時間がない」「都合で家族の食事はばらばらになる」「手作りの食事は良いと思うが忙しいのでつい出来あいになる」では寂しい気がします。

テーブルマナーは堅苦しいとお考えの方も多いと思いまが、テーブルマナーとは「食べると言う行為に心の美しさを加味したもの」です。

心の美しさとは、感謝の気持ちや尊敬の気持ち、さらに同席する人に不快感を洗えずに好感を与えることです。

生きることは食べることですから当然、食べ方は生き方に繋がります。
従って、心の美しさを加味した食べ方はより良く生きることに直結します。
だからテーブルマナーが大切なわけです。

「食育」という言葉が産まれ久しいですが、残念ながら日本は栄養学や衛生面では大変優れていますが、食べ方に触れることはほとんど有りません。

だから「何を食べるか」と言うことはさて置き、「どのような環境下で、どう食べるか」の視点で、これから「品の良い美しい食べ方」に触れて行きます。

忙しすぎて乱れがちな食生活を少しでも見直して頂き、「食べる」という行為を通じ、人間形成の場になれば嬉しい限りです。

誰でも、いつでも実行でき、かつ色々な面において大変大きな効果が期待できます。ぜひ、お付き合いください。

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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