マナーうんちく話701《「お彼岸」ってなに?》

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:歳時記のマナー

厳寒の中、百花に先駆け白梅が咲き、続いて紅梅が見ごろを迎えたかと思うと、はや桃の花が咲き始めました。

この時期は次から次へと多種多様な花が咲きほころび、桃の次は何の花が咲いてくれるかな?と思うのも日本ならではの楽しみです。

16日には中国地方において「春一番」が吹きましたが、後10日もすれば桜の開花宣言が聞こえてきそうですね。

3月18日は「彼岸の入り」、つまり彼岸が始まる日です。
仏壇があるお家では、お坊さんに来ていただき、読経をしていただき、一家揃ってお墓参りを予定される人も多いと思います。

ところで毎年年に二回お彼岸の諸行事をしてはいるものの、改めて「お彼岸」とはなにか?と聞かれると、明確に答えられない人が多いようですので、再度詳しく触れておきます。

彼岸とは、すでに何度も触れて参りましたが、早い話し、悟りを得た「あちらの世界」の事です。
ちなみに、煩悩に満ちたこちらの世界は「此岸(しがん)」といいます。

つまり、彼岸とは仏様が住んでいるあちらの世界で、人間が住んでいる世界が此岸ということになります。

そして、彼岸は仏教行事ですが日本独特の行事で、他の国にはありません。
また、「春の彼岸」と「秋の彼岸」があり、それぞれ「春分の日」と「秋分の日」を挟んだ前後3日間、計7日間です。

いつ頃から7日間になったかは定かではありませんが、平成26年は3月21日が春分の日ですから、春の彼岸は3月18日から3月24日までと言う事になります。

彼岸の最初の日、つまり3月18日を「彼岸の入り」、最後の日、つまり3月24日を「彼岸明け」と言います。

ではなぜ、春分の日と秋分の日が彼岸になったかと言えば、太陽が真東から昇り真西に沈むからです。

日本では極楽浄土が西に存在すると信じられていたので、太陽が真西に沈む日が、仏様がいる極楽浄土と最も近くなるとされ、仏教行事を行うようになったのではと言われてれおります。

加えて彼岸には、ご先祖様に感謝して、ご先祖様を供養する日ですが、春の彼岸には豊作を祈ります。そういえば、昔の人は、彼岸を目安に畑に種を蒔いていたようですが、今でも彼岸は、畑仕事においては大きな節目になります。
また、秋の彼岸は収穫に感謝をささげる意味もあるようです。

以上、彼岸は先祖に感謝し、先祖を供養する日でもあり、豊作を祈願し、収穫を感謝する日でもあるわけですね。

そのような事を認識しながらお墓参りされるのもお勧めです。
さらに、この頃は「彼岸会(ひがんえ)」といわれる僧侶の法話がありますので、近くのお寺に出かけ、法話を聞かれるのもいいですよ。

法話の内容はそれぞれ話し手により異なりますが、普段では滅多に聞けない話が聞けるので、得るものは大きいと思います

お布施ですが、個別の法要ではないですから無理に出す必要はありませんが、500円でも1000円でも、出せる範囲で出されるのもいいでしょう。

日常生活においてはコンビニと身近な暮らしをされている人も多いと思いますが、日本には約76000寺院あり、30万人以上の僧侶がいます。

お寺は近くにありて、遠い存在になっていますが、お彼岸の時くらいは出向いて、法話を聞かれてみられてはいかがでしょうか?

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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