マナーうんちく話651≪幸運を呼ぶ「初夢」を見る方法≫

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:歳時記のマナー

正月も2日を迎えたところで、今夜あたり縁起のいい夢にあやかりたいと願っている人も多いと思います。

日本人に取って縁起の良い物と言えば「松竹梅」や「鶴亀」が挙げられますが、正月の縁起物と言えば、なんといっても「宝船」ではないでしょうか?

昔から「七福神は宝船に乗ってやってくる」と信じられているように、宝船とは金・銀・宝石・サンゴなどの宝物を満載した、七福神が乗り込む帆船やそれが描かれた絵のことで、新年の季語です。

だから大変お目出度い船として、七福神の置物や絵画は縁起物として重宝されています。

そして、宝船が描かれた絵には「なかきよの とおのねふりの みなめさめ なみのりふねの おとのよきかな」と言う文句が書かれている事があります。

平仮名だけなら意味不明で理解しづらいですが、実はこれは「回文(かいぶん)」と言われる、上から読んでも、下から読んでも同じ分になります。

漢字で表現すれば「永き世の 遠の眠りの みな目ざめ 波乗り船の 音の良きかな」となります。

江戸時代には、夏の暑い時期には夏バテ防止によく効く「甘酒売り」が江戸の町にやってきますが、正月には、この「宝船が描かれた絵」を売る商人が江戸の町にやってきます。

当時は、良い夢を見るか、悪い夢を見るかと言う事を大変気にしていたので、特に、その年の初めに見る「初夢」にこだわったわけですね。

正月2日に、この宝船の描かれた絵を枕の下に置いて寝ると、縁起の良い初夢を見ることが出来ると言われております。
加えて、上記の「回分」を3回唱えると効果がより期待できると言われておりますので、是非お試し下さい。

但し、それで万一悪い夢を見た場合は、その絵は川に流して、即ち水に流して縁起直しをして下さいね。

ところで、初夢はいつ見る夢の事を云うのかについては諸説あります。
中世では立春が一年の始まりとされていたので、節分の夜に見る夢が初夢とされたそうですが、江戸中期には元日の夜に見る夢、さらに2日に見る夢、3日の夜に見る夢と、色々な考えが有ったようです。
それが、明治になって、2日の夜に見る夢が「初夢」になったという、いきさつがあります。

要はあまり深く考えずに3が日にかけて、良い夢が見られれば良いと思いますが如何でしょうか。

ちなみに正月に見る縁起の良い夢は、宝船の他にも「一富士二鷹三茄子」が有りますが、これは江戸時代に初夢としてみれば縁起がいいとされる順番です。

特に富士山は昔から日本を象徴する国内最高峰の山ですが、昨年6月にユネスコの世界文化遺産に登録されたので、さらに運気が高まりそうですね。

二番目に来る「鷹」は、数多くの鳥の中で「鳥の王様」と呼ばれる鳥で威厳があります。

三番目のナスビは、なぜ?と思われる方が多いかもしれませんが、「ナスビ」は「ナス(成す)」になり、物事が成就するからだと言われております。

加えて、四番目に、涼をとると共に儀礼や舞踊にも使用される「扇」、五番目に「煙草」がくるわけですが、実際にお金の夢を見る確率は結構ありますが、茄子や扇子や煙草の夢は現実味が薄いようですね。

ちなみに、和の礼儀作法講座では扇子は必需品でよく使用しますが、扇子が夢の中に出た事はありません。

今夜はお金を始め、仕事や愛する家族や子供の夢、自分に取って都合の良い夢などを見て、今年も元気で充実した年にして下さいね。
祈念!ご多幸。


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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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