マナーうんちく話529≪どう過ごす?黄金週間≫

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:歳時記のマナー

百花繚乱のワクワクするような時を与えてくれた春が、刻々と過ぎ去ろうとしています。

「春惜しむ」とか「行く春」といった言葉がお似合いになり、桜前線もすっかり北上しましたが、先人は桜が咲き始めた時、咲いている状態のみならず、散りゆく姿にまで素敵な名前を付けています。

桜の花びらがヒラヒラと舞っている様子が「花吹雪(はなふぶき)」、花弁が水に流れる様子は「花筏(はないかだ)」、そして花がすっかり散って若葉が出てきた様子を「葉桜」と名付けています。

桜の芽がほころんでから咲くまで、さらに、すっかり散ってしまい葉が出るまで丁寧に観察し、キチンと見届け、来年に託したわけですね。

桜の木は神が鎮座されると言いますが、田植えシーズンを迎えるに当たり、山の神をお迎えに行き、桜の木の下で神と供食するユニークな文化を持つ日本ならではの、美しい言葉に心が癒されます。

ところで今年もいよいよ「ゴールデンウイーク」がスタートしましたね。
Golden Week(GW)は、戦後間もない頃の1951年(昭和26年)にできた言葉ですが、まだテレビも普及してなく、自家用車にも縁の無い頃です。

そんな時代ですから、映画館が大流行りで、今のゴールデンウイークの時に上映した映画が、盆や正月より多い集客を記録し、気分を良くした映画会社が「黄金週間」と名付けたわけです。

しかし、この言葉はあまりインパクトが無かったので、当時ラジオの視聴率が最も高かった時間帯、すなわち「ゴールデンタイム」の言葉を真似て「ゴールデンウイーク」としました。

当時は映画を見るか、デパートに行くか、近郊の遊園地に行くか等の、日帰りでの娯楽が主流を占めていましたが、今は、休みもさらに大型化し、娯楽施設も増え、それに娯楽スタイルも多様化したりで、本当に豊かになったものです。

また、ゴールデンウイークは同時に、日頃疎遠になっている人と旧交を温めるたり、家族水入らずの時が過ごせる絶好のチャンスでもあります。
しっかり絆を深めて頂きたいものです。

結婚は「楽しみを倍に、悲しみを二分の一にする」と言われますが、仲の良い友人にも同じことが言えると思います。

仕事から離れ自由な時間が取れる時にこそ、伴侶や子どもや友人に、しっかり耳を傾け、有意義なひと時を過ごされる事をお勧めします。

出来れば、せっかくの機会ですので、大切な人との「楽しい時間」をしっかり共有することをお勧めします。

身近に存在する大切な人を、「欠けがいの無い人」と認識し、大事にして、真摯な態度で接するところに、その人の品格が生まれます。
大切な人につくすことで、本当の意味での生きがいが生じるわけですね。

ビジネスシーンにおける損得勘定を、抜きにした愛情や友情は、人としての証であります。
そして、それを醸し出すのがマナーです。

厳寒に耐え、桜のつぼみがほころび、開花し、散り、葉桜になり、やがて果実をつけるように、私たちの人生にも、常に「愛情」や「友情」と言う実を実らせたいものです。

「夫婦で久しぶりに楽しい一時が持てた」、「子どもの喜ぶ顔がしっかり見えた」、「多くの友人と会うことができた」等と、有意義な思い出が作れるゴールデンウイークになりますように・・・。




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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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