マナーうんちく話483≪現代の上座と下座②「和室編」≫
大寒の頃の満月は「冬満月」と言われ、頭上高く見えますが、昨夜は、寒いながらも、澄み渡るような晴れた夜空に恵まれたお陰で、しんしんと輝く満月に心がいやされた方も多いと思います。
さて、今回は引き続き、和室における贈り物の渡し方に触れてみます。
和室における手土産の「渡し方」や「受け方」はとても難しいところですが、これが上手に出来ると、思いやりの心が相手にヒシヒシと伝わり、大変好感が持たれます。
また、折角渡す側が礼を尽くした渡し方をしても、受ける側のマナーがなっていなかったら、ちぐはぐします。
先ず、渡し方ですが、和室に通されたら、手土産は下座に起きます。
ちなみに、和室の上座は「床の間」に近い所ですから、「下座」は床の間から遠い場所になります。
たとえ座布団を進められても、座布団には、すぐに座らないで下さいね。
畳の上にじかに座り、先に挨拶です。
相手の目を見て挨拶をします。
日本の挨拶には立ってする「立礼」と、座ってする「座礼」が有りますが、この時の挨拶は「座礼」になります。
相手の目を見て、礼に入ります。
腰から上半身を折りながら、両手は指をキチンと揃えて、膝前に寄せ合わせます。
指をキチンと揃えると美しい仕草になります。
次に、静かに頭を下げます。
下げる角度は、相手や訪問の目的等により異なりますが、改まった場合ですと、畳から15センチから20センチ位の高さが良いでしょう。
頭を下げたら、そのままの状態で、頭の中でゆっくりと3つくらい数を数えて、静かに状態を上げて下さい。
この挨拶が、今回の訪問の最高の挨拶になりますので、雑にならないように注意して下さいね。
つまり、一番大切な挨拶は玄関ではなく、部屋に通された時に行います。
挨拶が済んだら手土産を渡す時です。
正面を避け、風呂敷を開きます。
品物を取りだしたら、風呂敷をたたみます。
この時に、風呂敷のまま渡さないようにして下さい。
取りだした品物は、自分の正面において下さい。
そして、品物の正面が相手に向くように方向転換します。
口上を述べて、両手で品物を持ち、相手に差し出します。
なお、口上の述べ方は「マナーうんちく話446《つまらないものの真意は?》」を参考にして下さい。
品物を相手に差し出す時に、品物をどの高さまで上げるかは、相手や訪問の目的により異なります。
例えば、腹の高さ、胸の高さ、肩の高さ、さらに目の高さに上げて、差し出しますが、改まった席では、胸の高さから肩の高さ位が良いでしょう。
くれぐれも畳の上をすすらないように、キチンと両手で持ち上げて渡して下さいね。
このように礼を尽くした品物を頂く時には、その受け方もそれなりのマナーが必要です。次回を参考にして下さい。