マナーうんちく話431≪しめ縄飾り≫

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:歳時記のマナー

前回、門松に触れましたが、正月の準備の必需品として「しめ縄飾り」もわすれてはいけません。

神社に参拝される時に、鳥居や拝殿に掲げられている縄をご覧なられると思いますが、それがしめ縄飾りです。

古来より日本人は、稲作を中心とした多様な農耕文化を発達させましたが、「ワラ」の文化もその典型的な例です。

ワラは、畳や縄などにも使用しますが、「しめ縄」と言われる、とてもゆかしい文化を作りました。

「しめ縄」は、しめ縄から作られたものですが、周囲の穢れを払い、神聖な場所に飾るための縄です。
一本の縄が、神様と人間の境界を記すわけです。
「縄張り争い」などとも言いますね。

家庭では、正月に玄関に飾りますが、あれは家の中に、邪気が入ってこないようにするためです。

古来、天照大神が岩戸から出られた後、再び中にはいられぬように、岩戸に縄を張ったのが、しめ縄の起源だとされています。

今では、昔からのオーソドックスな飾り方から、フラワーコーディネートの手法での斬新な飾り方が有りますが、いずれも故事に倣い、「古い年の邪気を払うため」に飾るものと認識して頂いたらいいと思います。

そしてしめ飾りには、「ゆずり葉」や「だいだい」の縁起物が使用されます。

ゆずり葉には、家系を「後の代に譲る」と言う意味が有ります。
だいだいには、家系が「代代繁栄する」と言う意味が有ります。
いずれも、「家が絶えないように」との願いを込めて飾るわけです。

この他、小さい「環飾り」が有りますが、これは、しめ縄を簡素化したもので、色々な神様の領域に飾ります。

例えば、火の神様がいらっしゃる「かまど」に飾るとか、水の神様がいらっしゃる「井戸」に飾ったり、さらに商家では「帳場」に飾ったりします。

加えて、自分の「大切な場所」に飾っても良いと思います。
作家でしたら机に、コンピューターの仕事をしている人ならパソコンに、あるいは車にもお勧めです。

ちなみに、「床の間」には、お目出度い図柄の掛け軸、例えば「鶴亀」「松竹梅」「蓬莱山」等が有ればいいですね。
そして、床の間の正面に「鏡餅」、床柱側に「生け花」、反対側に「屠蘇器」を置きます。

但し、屠蘇器はダイニングに置いて、屠蘇器の代わりに「香炉」等を置かれるのもお洒落です。

花は、「松竹梅」、「葉ボタン」、「福寿草」、「水仙」、「千両」等が良いです。

床の間が無いようでしたら、サイドボードや飾り棚に、お目出度い感じの色紙や油絵などを飾り、鏡餅を置かれるのも正月の雰囲気を味わうことができます。
鏡餅が無かったら、半紙に米を盛っても代用できます。

門松にしめ縄飾りができたら、後は餅の用意のみです。
次回は「餅」に触れてみます。



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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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