マナーうんちく話389≪七五三とボージョレーヌーボー≫

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:歳時記のマナー

全国に神社がいくらあるかご存知でしょうか?
81000社あり、70000人の神主がおられます。

実は神社は、コンビニより身近に存在するのです。
しかし今は、近くに有りながら、縁が遠ざかっている気がします。

ところで、皆さんは一年に何回位、神社にお参りに行きますか?
また、神道についてどのくらいご存知でしょうか?

昔から、日本人の生活に大変密接な関係が有った神道ですが、氏子でありながら、自分自身が神道の信者であるという自覚がなく、意外に知らないことが多いのが神道ではないでしょうか。

しかし、神道は日本固有の宗教です。
そして、昔から日本人の哲学や思想を培ってきたにもかかわらず、特定の創始者を持たない、自然発生的な宗教だと言えます。

そのせいでしょうか、民族が創造した神話と、非常に深いかかわりを持ちます。
さらに、稲作や年中行事、及び人生に関する様々な儀式など、生活の中に大変深く浸透している宗教です。

前にも申しましたが、昔は乳幼児の自坊率が大変高かったので、子どもは7歳までは「神の子」と言ったならわしが有りました。
だから、七五三は盛大にお祝いするわけです。

昔から、「女らしさ」とか「男らしさ」と言われますが、七五三は、その女の魂と、男の魂を授かる時だと言う説が有ります。
肉体的には、女の子と男の子の違いは歴然としていますが、七五三は、女の子と男の子の、精神的な違いを授かると言う意味です。

「男女7歳にして席を同じゅうせず」と言われます。
男の子も女の子も七歳になれば、男と女のけじめをつけ、みだりに交際してはいけないと言う意味です。

ところで、皆さんは初対面の人から、「コーヒーをおごって」と言われたら、おごりますか?何回もその人と共有する時間を取り、良好な人間関係を築き、それで初めて、コーヒーをおごる気持ちになるのが普通ですよね。

神様も同じではないでしょうか?
一年に、一度や二度のお参りでは、神様と深い縁は結べません。
何度もお参りし、神様と良い関係を築くことが大切であると考えます。

森の鎮守とうたわれているように、神社は深い木々に囲まれ荘厳な雰囲気が漂います。心を清めるには最適の場所です。
年に何度か、神社に参拝されるのもお勧めです。
日本の礼儀・作法の精神が解るような気がします。

さて、今日は「ボージョレーヌーボー」の解禁日ですね。
ワインの世界は横文字が多いですが、「beaujolais nouveau」のことで、ヌーボーとは「新酒」の意味です。従って、「フルーティー」とか「ジューシー」とかいいますが、的を射た表現だと思います。

11月の第3木曜日に解禁される、ボージョレーヌーボーは、本来当地の農民の収穫祭ですが、日本には40年位前から輸入されています。

日本で収穫された新米を、神様にお供えして、その年の収穫を感謝する「新嘗祭」は、耳にすることがほとんどなくなりましたが、ボージョレーヌーボーフエァーは年々派手になっているようです。

冬至にカボチャを食べなくても、ハロウィーンの行事は盛大にしています。
楽しければそれでよいのでしょうが、七五三にはなぜお宮参りするのか、冬至にはなぜカボチャを食すのか、先人が築き上げたしきたりの合理的な意味には、現代人が抱えている多くの矛盾を解くヒントが存在しています。

だから、冠婚葬祭のしきたりやマナーは大切なわけです。
それを理解したうえで、外国の文化を受け入れることが大切だと思います。

ボージョレーヌーボーフェァーは陽気なお祭りです。フルーティーな新酒と共に、皆で明るく楽しく過ごすことも参考にしていただいたらと思う次第です。


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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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