マナーうんちく話374≪日本人とハロウィーンの行事≫

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:歳時記のマナー

丁度今頃の歳時記ですが、10月27日のコラムで触れました「十三夜」をご存知でしたか?

残念ながら、今年は夕方から雲に覆われ観賞できなかった地域も有ったのではと思いますが、十三夜の行事で予定を組まれた、家庭や地域や企業はわずかだったと思います。

では、「えびす講」は如何でしょうか?
これも、10月2日のコラムで触れました、「神無月」に関係する日本独特の年中行事です。

神無月には、全国津々浦々の神様が出雲大社に出張され、全国の地域で神様が不在になるわけですが、実は「恵比寿様」だけが居残って留守番をされます。この恵比寿様を祀るために始まった行事が「えびす講」です。

恵比寿様はご存知の通り、右手に釣竿、左手に鯛を抱えられた、日本人にはとてもなじみの深い神様で、漁業関係者を始め、商家や農家にとっては、大変ありがたい神様なのです。

それでは、本日の本題に入りますが、「ハロウィーン」をご存知ですか?
では、この行事を家庭や地域、あるいは商売に利用されるでしょうか?

新聞にも掲載されていましたが、ハロウィーンに関するイベントは、神様・仏様の国日本で、次第に根付き、年々派手になっているようですね。

では、ハロウィーンとは何か?
私は、日本の「お盆」と「秋祭り」をミックスしたようなものだと思いますが、その起源は、今から2000年以上前のケルト人の、10月31日の夜に行われる宗教行事だと言われております。

ケルト民族の言い伝えでは、一年の最後の日は10月31日で、その夜に、
亡くなった人の霊が家族の家に里帰りする日です。
これは、日本のお盆と同じですね。

ただ、帰る時に箒(ほうき)に乗った悪魔や黒ネコなどを連れてきて、悪事を働くので、これを防ぐために、焚き火をしたり仮装したりします。

それが後に、秋の収穫を祝い、故人の魂を偲ぶ行事になり、やがてキリスト教に取り入れられ、お祭り好きなアメリカ人に受け入れられたようです。

カボチャを顔の形にくりぬき、中にロウソクを入れ、「お菓子をくれなかったら悪いことをするぞ」と言って、仮装行列をするシーンは、日本でもすっかりおなじみになりました。

もはや、冬至にカボチャを食べるより、晩秋のカボチャと言えばハロウイーンになったようです。

そして、今の日本では、クリスマスやハロウイーンの行事が、秋から冬にかけての歳時記としてすっかり定着しました。

勿論、これにより経済が活性化され、地域が元気になるのは喜ばしいことだと思いますがが、あくまで日本は神様(神道)・仏様の国です。

神様や仏様を敬うと共に、豊作や無病息災を祈念する日本独自の年中行事も再度、そのいわれをキチンと認識し、家族や地域の絆づくりの一環として盛り上げていきたいものです。

ということで、昨年から、各地で開催していますマナー講座に「年中行事のしきたりとマナー」を取り入れています。特に「年末・年始行事」等はとても人気が良かったので、今年も力を入れ、本来あるべき姿を積極的に発信していきたいと思っている次第です。




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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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