マナーうんちく話498≪うかつ謝り≫
これまで、色々な人に頼み事をした経験をお持ちの方は多いと思います。
頼み事も様々です。
当番を変わって欲しいとか、今晩一杯付き合ってくれない?とかのような比較的気軽な頼み事から、銀行でお金を借りるので保証人になって欲しい等など、非常に重要な頼み事も有ります。
いずれにせよ、頼み事をするということは、相手にそれなりの負担を掛けることになるので、真摯な態度でお願いすることが大切です。
また、キチンと礼も尽くさなければいけません。
さらに大切な事があります。
頼む以上は、それを引き受けて頂くことが前提になります。
だから、相手をよく選ぶ必要があります。
相手にとって、負担が大きすぎたら迷惑を掛けることになります。
相手の実力や性格をよく見極めたりしなくてはいけません。
加えて、日頃からの人間関係がとても大切です。
また、頼み方も大切です。
内容によりけりですが、気軽な頼み事はメールや電話でも結構ですが、大切な事は直接出向き、真摯な態度でお願いして下さい。
これについては、訪問の「仕方・され方」のコラムを参考にして下さい。
但し、遠方の場合は手紙でも構いません。
出来れば、手紙を出した後で、後日出向いていき、結果を直接聞く配慮が欲しいところです。
そして大切な頼み事の場合は、なぜあなたにお願いするのか?その理由を明確に説明して下さい。それと共に相手に尊敬の意を表して下さい。
頼み事の理由は、出来る限り具体的に、正直に伝えて下さいね。
これがないと、相手も協力のしようがありません。
加えて、仲の良い友人や親類縁者でも、頼み事をする時には「親しき仲にも礼儀あり」です。
頼み事をする時に、「すみませんが○○○していただけませんか?」等のいい方される人が多いですが、「すみません」は、断りの言葉ですので感心しません。「おそれ入りますが」「恐縮ですが」等の方が相応しい表現です。
現代のように、医学も科学も発達していなかった時には、子どもが健やかに育つためや、無病息災や、農作物が豊作になるため等、生きていく上で不可欠な重要事項は、すべて神様にお願いしていました。
今でも、その名残が年中行事に多々存在します。
正月のお節料理、お屠蘇、七草ガユ、桃の節句、端午の節句等などですが、それぞれに厳しい礼儀・作法があります。
このように、頼み事をすると言うことは、実は大変なことなのです。
だから、礼儀・作法をキチンと発揮しなければいけません。
最後に、人に頼み事をしたら、結果如何を問わずお礼が大切です。
不本意な結果になった時こそ、より丁寧なお礼をお勧めします。
これで、頼み事をした方と、された方の心が通います。