マナーうんちく話351≪触らぬ神にたたりなし≫

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:人間関係を良好にするマナー

今ではあまり聞かれなくなった言葉ですが、「井戸端会議」があります。
まだ水道が発達していなかった時代の言葉です。

時代劇ではよく見かける風景ですが、集合住宅や長屋住まいの場合は、トイレもそうですが、井戸は共同使用です。

そこに長屋の主婦が、入れ替わり立ち替わりやって来て、米や野菜を洗ったり、洗濯をしたりするわけですが、主婦たちが何人も寄れば、実に多彩な話に花が咲きます。

聞いて心地良い話しも中には有りますが、多くの場合は愚痴や人の噂話が多いのが実情です。
しかし、噂話は瞬く間に話が拡大され大きくなります。

特にこれと言って娯楽がなかった長屋住まいの主婦達には、これが唯一の楽しみだったようですが、物質的な豊かさを謳歌している現代社会でも、噂話は相変わらず盛んです。

噂話のように、人を中傷する話は、実はその原因は些細なことですが、それが瞬く間に話が大きくなり、ターゲットにされた人はとても迷惑です。
地域、学校、職場いずれもしかりです。

また、噂話しの主は、自分の話に同調してほしいから、聞いている人に「どう思う?」と同意を求めたりしてきます。

同意を求められて、うかつに「そうですね―」なんていうと、「○○さんが言っていたよ」と言われたりします。

そうかと言って、同意を求められて、真っ向から反論すると火に油を注
ぐ結果にもなりかねません。
さらに、「だんまり」を決め込むのも感心しません。

噂話、特に人の悪口には、「触らぬ神にたたりなし」で、話に耳を貸さないこと
が大切です。

しかし、どうしても巻き込まれたら、話しの輪に入るのではなく、なるべく遠
ざかって下さい。

電話を掛けに行くか、トイレに行くか等で、一旦席を立つことです。
それでもしつこく同意を求められたら、さりげなくかわし、矛先を話し手に向
けるような会話を投げかけるのもお勧めです。

「井戸端会議」も「噂話」も、花は咲いても決して実は実りません。
終わった後にも、爽快感は有りません。
むなしさが残るだけです。

「悪魔の話をすれば悪魔がやって来る」と言う諺があります。
人の悪口を言うのは、天に向かって唾を吐くようなもので、マナー精神に反し
ます。




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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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