マナーうんちく話285≪彼女同伴フレンチのマナー⑥≫

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:洋食のテーブルマナー

彼女同伴でのフレンチレストランでのマナー⑥「テーブルセッティング」

料理の好みは人それぞれです。
目と口で味わう日本料理こそ料理の神髄だと言う人もいれば、長い伝統と文化を有する中国料理を好む人もいます。

加えて、ソースの種類の豊富さや、そのデリシャスな味、さらに絢爛豪華な雰囲気のフランス料理こそ、世界屈指の料理だと言う人もいます。

幕末に黒船軍団が、フランス料理のシェフを乗せて日本にやってきて、日本の会席料理を、幕府からご馳走になりました。
そのお返しとして、そのシェフの作ったフランス料理で、当時の幕府の役人を接待して以来、日本では、フランス料理が公式の席上においても、政治やビジネスのシーンにおいても、さらに一般の人達にとっても、特別な料理になっていることは確かです。

結婚披露宴においても、フランス料理の人気は高いですし、長寿や入学祝い等でも供されることが多々あります。

すなわち、人生のとても大切なひと時を寿ぐための料理として、フランス料理は、すっかり日本人に馴染んで来ていると感じます。
もしかしたら、和食以上かもしれませんね。

それを証拠に、和食のきちんとしたテーブルマナーは習った記憶がなくても、フランス料理のテーブルマナーは、高校生や大学生の時に、学校からホテルに研修に行った人が沢山います。

私も、学生対象の、フランス料理のテーブルマナーは相当数担当しましたが、意外にも、和食のテーブルマナーを依頼された記憶は、あまりありません。

こちらから、「和食のテーブルマナーも大切ですよ」と提案して、それで、和食のテーブルマナーに変えて頂いた例は、若干ありましたが、日本人でありながら、西洋かぶれするのは、明治以降の、日本独特の慣習なのでしょうか?

しかし、フランス料理には、皆で集まり、仲良く飲んで食べ、楽しく会話して、食事を楽しむ素晴らしい魅力があると思います。つまり、社交性には、和食より、はるかに富んでいるのではないでしょうか?

それに加えて、豪華な器や、両側と前後にずらりと並んだカトラリーの数々、グラス類、華やかな花やキャンドルのテーブルコーディネート、クロス類、それに音楽等など、日本人を魅了する魅力のオンパレードです。

ナイフ・フォーク・スプン類の事を「カトラリー」と言いますが、これは、前もって「オードブル」「スープスプン」「フィッシュナイフ・フォーク」「ミートナイフ・フォーク」「デザートスプン」「フルーツナイフ・フォーク」「コーヒースプン」「バターナイフ」等が、あらかじめセットされている場合と、それぞれの料理ごとにセットされる場合があります。

コース料理を主とした店では前者が多いですが、ア・ラ・カルトが多い店では後者が多いようです。

また、グラスも多種多様です。
飲み物により、グラスの種類や形が異なり、こちらもかなりの知識が必要です。
フォーク・ナイフの扱い方にも、「イギリス式」と「フランス式」がありますが、グラスのセッティングにも、イギリス式とフランス式があります。

イギリス式は、真横にグラスをセットします。
左がゴブレットグラスと言って水が注がれるグラスです。
次は赤ワイン、白ワイン、シャンパングラスと続きます。

フランス式は、斜めにセットされます。
順序はイギリス式とほぼ同じですが、店により異なります。
解らなかったら聞いて下さい。

ところで、フランス料理が、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の無形文化遺産に登録されているのをご存知でしょうか?

これに引き続き、日本でも今年の春に、「和食の登録申請」がなされました。
フランス料理に一歩リードされた形で、只今審査待ちですが、これを機会に、両方のテーブルマナーをしっかり理解されることをお勧めします。

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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