マナーうんちく話280≪彼女同伴フレンチのマナー④≫

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:洋食のテーブルマナー

彼女同伴時のフレンチレストランでのマナー④「上品な着席とメニュー選び」

黒服が、太郎と花子を予約席に案内してくれたら、先ず花子に椅子を引いてくれます。花子は左から入り椅子に腰をかけます。

この時点で、テーブルの端と花子のお腹が、握りこぶし二つ位の距離を取って下さい。そして、深く腰をかけ、背筋を伸ばします。
この状態で、姿勢を美しく保って下さい。

姿勢を正した状態で、2時間位、食べたり、話したりの状態が続きますので、日頃から、常に姿勢を美しく保つことに心がけて下さい。
これは大変大切なポイントになります。
食事の時には、くれぐれも、足など組まないようにして下さいね。

着席したら、黒服が「メニュー」を持ってきてくれます。
店により異なりますが、メニューには、「コースメニュー」「ア・ラ・カルトメニュー」「ワインリスト」があります。

フランス語、英語、日本語等で表示されていますが、黒服から、メニューの簡単な説明があると思いますので、それを参考にされるのもお勧めです。

太郎も花子も、同じコースメニューをオーダーすれば比較的簡単ですが、太郎と花子が、別々に一品料理(ア・ラ・カルト)をオーダーするとなると、少し難しくなってきます。

フランス料理がなぜ、世界屈指の料理かと言えば、ソースの種類が多いことと、それらが大変美味であることです。

従って、ア・ラ・カルト料理はそれなりのこだわりがありますし、ある程度の専門知識が必要になります。

しかし、コース料理のように、前菜、スープ、魚料理、肉料理、サラダ、デザートの順に注文する必要は有りません。

お腹の調子や財布の中身と相談の上、前菜と魚料理とパンだけでも良いし、スープと肉料理とパンだけでも結構です。

但し、ア・ラ・カルトの場合は、多くの店では注文を受けて、料理を作りますので、それなりの時間を要します。予め了解ください。

太郎は花子の好みを、しっかり聞いてあげて下さい。

コース料理ならせいぜい、食後に、コーヒーにするか紅茶にするか位を選択すれば結構ですが、ア・ラ・カルトならメインディシュを何にするかです。

一般的には魚料理か肉料理ですが、魚ならタイ・ヒラメ・スズキ・ソール・サワラ、さらに伊勢海老・車エビ・貝柱などですが、肉料理なら牛・豚・チキン・羊・子羊・山羊・鹿・七面鳥等があります。

素材は以上のように簡単に理解できますが、問題は調理方法やソースの内容等です。これらの説明は、必ずしも誰にでも、簡単に理解できるような日本語の表示ではない場合が多く有ります。
異文化を、日本語で表現するわけですから無理もないことです。

例えば、ロティー(焼くこと)、ポワレ(フライパンでバターや油を使用して焼くこと)、マリネ(付け汁に付けること)、ソーテ(炒めること)、さらにプュレ(裏ごししたり、すりつぶしたりしてベース状にしたもの)、ジュリエーヌ(野菜を千切りにしたもの)、グラッセ(シロップなどで煮詰めてつやを出したもの)などは、良く聞きますが、日本人には難しい言葉だと思います。

よくわからなかったら、係りの人を呼んで聞くのも、太郎の大切な役割です。
そして、料理をオーダーするのも太郎です。

ちなみにナプキンは花子が先にとります。

次回はドリンクとグラスについての解説です。




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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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