マナーうんちく話516≪袖触れ合うも多生の縁≫
7月23日は二十四節季の一つ「大暑」です。
暑さが最も厳しい、いわゆる「暑中」の頃です。しかし半年先は「大寒」になります。
暑いのが好きな人もいれば、寒いのを好む人もいます。人それぞれですね。
人間も、好きな人もいれば、嫌いな人もいます。
好きな人が多くいて、嫌いな人は少ない方がいいですが、皆さんは如何でしょうか?
今回は「嫌な人(嫌いな人・苦手な人)」との接し方についてです。
プライベートだったら、嫌な人は避ければいいですが、仕事ではそうはいかないケースの方が多いと思います。対応の仕方が大切です。ポイントを纏めてみました。
○可能であれば、無理に交流を持とうとせず、距離を置くか時間をあけることも選択肢の一つです。つまり避けることです。ただあまりこれを繰り返すと成長は期待できません。
○職場(組織)は、あなたの好みで構成されていません。考え直してみては?
○全ては何かの縁です。折角の縁を、一度や二度の思いつきで疎縁にするのは勿体ないです。世の中には、初対面の時と異なり、二度目・三度目・四度目と会って行くうちに、無愛想だけど、根はやさしい、とてもいい人だったというような例が沢山あります。
要は、一・二度会っただけで判断してしまうのは感心できません。
○人間である以上、自分との相性が有ります。相性の合わない人の場合、つい、その人の悪いところばかりが目立ちますが、修行のつもりで、逆に「いい所」を見るようにして下さい。そしてそれをさりげなく言葉で表現することです。要は嫌いな人に素敵なマナーを発揮するということです。
これはかなりのスキルを必要としますが、この上ない自分磨きにつながり、自分もハッピーになれるし、人もハッピーにすることが可能になります。
○嫌な人ほど丁寧に接して下さい。なるべく丁寧語で明るく、はっきりと話し、挨拶は先手必勝の気持ちが大切です。そして務めて会話を心がけて下さい。この時、兎に角相手の話を聴くことです。三対一位の割合で聴き手になることがお勧めです。そして、相手が話していることに関心を示すことがポイントです。
○小まめに交流を図り、暑中見舞い、年賀状などは出来る限り自筆で出して下さい。
○どうしても好きになれそうもない場合は、賢く嫌いになって下さい。
嫌な人に、「私はあなたが大嫌いです」と言うような表情は全く出さず、丁寧に接し、心の中だけで嫌いになることです。接客・接遇に携わる人の場合、特にお勧めです。
嫌な人と積極的に交流を持つということは決して楽なことではありません。出来れば避けて通りたいのは山々です。しかし嫌いや人が大切な固定客であるとか、直属の上司であるとか、同居している姑であるとか、向かい合って行かなければならないケースも多々あります。大変苦痛であり、ストレスも溜まる一方です。
しかし、それが最高の自分磨きになります。
若い人ほどお勧めです。
表面的な人脈作りは、マナーの本でも読んで、ちょっとしたスキルを身につけ、形式的な交流を図れば比較的簡単にできます。
しかし、良い意味において、あなたの一生を左右してくれるような人との人間関係は、表面的な付き合いやテクニックだけでは無理です。
苦労・努力・誠意のある交流から生まれます。その相手は、意外に最初は、無愛想でとっつきにくい人で、嫌な人であるかもしれませんよ!