マナーうんちく話569≪泥より出でて、泥に染まらず≫
マナーうんちく話33《ご利益願って七福神と宝船》
明けましておめでとうございます。
昨年は「マナーうんちく話」にお付き合いいただき誠にありがとうございました。
今年も何卒よろしくお願いいたします。
昨年は色々なことがありましたが、今年こそ幸福な年であって欲しいものですね。
「景気回復」「金運上昇」「健康」「農業・商業・工業の繁栄」「恋愛成就」「夫婦円満」「家内安全」「交通安全」「就職」「合格」等を祈願するなら、昔から庶民の間では、「初詣」とともに、「七福神」(しちふくじん)巡りもなじみが深いようです。
そこで「今年最初のコラム」は、皆さまのご多幸を祈念して、福をもたらすとして、日本人に昔から信仰されている、「七福神」と「宝船」を取り上げます。
もともと、堅苦しい戒律に縛られることなく、気軽に信仰でき、「開運招福」「無病息災」等を叶えて下さる神々を望む風潮が室町時代に一般庶民の間で生じて、「七福神」が誕生したという説が有力です。
そして「七福神」は、日本、中国、インドの神の混成です。
一般的には次の神々です。
日本生まれの「恵比寿(えびす)」は五穀豊穣・商売繁盛をもたらしてくれます。
インド生まれの「大黒天(だいこくてん)」と「毘沙門天(びしゃもんてん)」はともに食べ物・福・財をもたらし、「弁財天(べんざいてん)」は福・財・知恵をもたらしてくれます。
そして中国生まれの「福禄寿(ふくろくじゅ)」と「寿老人(じゅろうじん)」と「布袋(ほてい)」は幸福・富・長寿をもたらしてくれます。
そしてこの「七福神」が乗る宝を満載した帆船、またはその様子を描いた絵を、「宝船」といい、おめでたい存在、縁起物とされていることはご承知の通りです。
新年の季語にもなっています。
「七福神の乗った宝船」の絵を、正月に枕の下において寝ると、縁起の良い初夢が見られるという風潮は、江戸時代に流行したといわれていますが、私も幼い頃にこのようにした記憶があります。
皆様方は如何でしょうか?
ちなみに私の今年の年賀状の絵柄は「七福神の乗った宝船」にしましたので、今夜あたり一枚枕の下において寝ようかと思っています。
正月に置く理由は、そもそも大晦日は寝ずに年神様をお迎えしなければならないので、夢が見られないので、正月に「七福神の乗った宝船の絵」を枕の下においたそうです。
今では、旅行会社の「初詣」商戦も盛んですが、「七福神巡り」もしかりですね。
七福神を祀る、古刹の威厳や古びた佇まいは、確かに心に沁みるものがありますが、それらが、いづこも、例外なく、毎年賑わっているということは、それにあやかりたいと願っている人がいかに多いかということですね。
コンピューター万能の時代とはいえ、普遍的なことは変わらないようです。
かの有名な剣豪宮本武蔵は「神は数拝するけど頼りにはしない」と言われたそうです。
しかし一般人にとっては、なにかにつけ神様・仏様に頼るというのは正直なところだと思います。
大切なことは、全てを神頼みにするのではなく、出来うることには全力を尽くし、それでも足らないところや、人間の力ではどうにもならないところを、神様・仏様にお願いするという姿勢だと思います。
そして常日頃からの感謝の気持ちだと思います。
最近は何もかも本当に便利な世の中になりました。「七福神の乗った宝船の絵」もインターネットのお陰でたやすくプリントアウトできます。
今夜あたり、枕の下において、兎年の「一陽来復」を祈願して見られては如何でしょう。
そしてどうか良い初夢にあやかって下さい。そして飛躍の年にして下さい。
今年も皆様方の、「ちょっと気になるマナー」「何かとお役に立つマナー」等を積極的に発信して参りたいと思っています。
よろしくお付き合いいただければ嬉しい限りです。
祈念!ご多幸。