まなーうんちく話798《月々に 月見る月は 多けれど・・・。》
9月23日は24節気のひとつ「秋分の日」ですね。
「暑さ寒さも彼岸まで」といわれるように、お彼岸は季節の節目でもあります。
そして春と秋、2回あるお彼岸には、先祖供養のため「墓参り」をする風習があります。
家族のきずなが希薄になる中、年中行事の一つとして大切にしていきたいものです。
そこで今回は、「お彼岸」と「お墓参り」について触れてみたいと思います。
●お彼岸とは?
「彼岸」とは仏様が住んでいらっしゃる清らかな、あちらの世界を指差します。反対に私たちが住んでいる、迷いや煩悩に満ちた、こちらの世界を「此岸(シガン)」と言います。
お彼岸とは、先祖に感謝し供養する日です。
●お彼岸に墓参りをする由来とは?
もともと仏教は、インド、中国、朝鮮半島経由で日本に伝わりましたが、仏教の行事で彼岸に墓参りをする風習は日本だけだそうです。聖徳太子がお彼岸の行事を定め、やがて朝廷の年中行事になったという説があります。
●お彼岸の時期と期間
年に2回あり、「春分の日」を挟んだ前後3日ずつと、「秋分の日」を挟んだ前後3日ずつです。
●お彼岸の供え物
お彼岸の供え物といえば「おはぎ」と「ぼたもち」ですが、実はこれらは同じものです。
昔は、米や砂糖は大変貴重なもので、これらを使ったもちを先祖にお供えすることは、最高のおもてなしだったようです。
秋には秋の7草である「萩」が咲くのでそれにちなんで「おはぎ」と名付けました。
春には、花の女王と呼ばれている「ボタンの花」が咲くので、そこから「ぼたもち」と呼ばれるようになりました。
萩の花は小さいので、おはぎは小さめに、ボタンの花は大きいので、ぼたもちは大きく作りますが、最近ではあまり変わらないようですね。
●「暑さ寒さも彼岸まで」
「暑さ寒さも彼岸まで」とよく言われますが、実際の気温は、明確には言えませんが、岡山でも大きく異なりますね。
春分の日は摂氏10度C位で、秋分の日は摂氏20数度C位あります。
厳寒の冬になれた体は、少し暖かくなってくれば心地よくなり、猛暑に疲れた体は、さわやかな秋風が吹いてくれば癒されるのでしょうね・・・
●墓参りについて
仏壇がある家では、彼岸の入りまでに、掃除をして、花などをいけ、お萩やぼたもちなどをお供えします。
墓参りは、基本的にはお彼岸の期間中であればいつお参りしてもOKだといわれております。
そのお墓参りですが、お寺にお墓がある場合は、先ずご本尊様にお参りします。
※仏教にはさまざまな宗派が存在し、その宗派の象徴がご本尊様で重要な意味を持っています。
次にお墓に行き、掃除をする、花・お供え物を供える、線香をたく、水を墓石にかける、そしてしゃがんで一同で手を合わせるのが一般的です。
お盆のような決まりごとはありませんが、ご先祖様を思い浮かべることと、清らかな心で手を合わせ、明日への決意を新たにして、晴れ晴れとした気分で帰るのが最高の墓参りのマナーだと思います。
仏様・ご先祖様への最高のおもてなしは、お萩やぼたもちもさることながら、感謝の気持ち、思いやりの心、真心なのです。
身を清め、キチンチした服装でお参りするのがお勧めです。
最後にできる限り家族でお参りしてくださいね。
家族そろって手を合わせることにより、一体感が生まれ絆が深まります。
今の時代、とても大切なことだと思います。