志望理由書を軽く見てはいけない・・これで合否が決まることもある

井上博文

井上博文

テーマ:大学の先生を納得させる志望理由書の書き方

京都コムニタス     KCポータル


臨床心理士や公認心理師になりたい

心理系大学院受験を決意した

臨床心理士指定大学院に行くと、公認心理師の学部の単位を持っていれば、両方取れるらしい。
じゃあ過去問を見てみよう・・・・・

心理学・・・????なんじゃこりゃ?
英語もある・・・???なんじゃこりゃ?
研究計画書提出?????なんじゃこりゃ?

志望理由書・・・なんじゃこりゃ?
受かればどこだっていいのに・・・特に理由なんてないよ・・・

無理じゃない?
どうやってやればいいの?
情報はどこにあるの?
ネットにはいろいろ書いてあるけど、読めば読むほど無理に感じる・・

と思われた方

大丈夫です。

そんな方のために京都コムニタスはあります。

以下、お読みいただくと、志望理由書の書き方がわかっていただけると思います。

かつて医学部に合格したこの方はなんと、200点中193点でした。これには私も驚きました。これは提出書類(この学校は自己推薦書)の評価も高かったと思われます。これは上っ面ではたたき出せる数字ではありません。その人の本質、中身が評価されたのだと思います。やはり、本質に迫ることが重要なのです。
志望理由書は、憲法のような面があり、面接において、様々な回答は、すべて志望理由に抵触しないように言う必要があります。
志望理由の目的はただ一つ
「なるほど、これならうちの学校以外行きようがないな」
と納得させること、あるいは一点の疑問の余地さえ感じさせないことです。説得力を高めるのは「事実」です。疑問を持つということは相手は疑っているということですので、疑われる前に、最初から曇りのない事実を、誰にでも分かる形で出すことが必要です。
「事実の積み重ね」が説得力を生みます。

志望理由は、その学校でなければならない理由、その学科、資格でなければならない理由であって、その学校が一番いい理由ではありません。
例えば、面接で「この試験で不合格だったらどうしますか?」という質問はよくあります。
失敗事例
「これを最後と考えています」「第二志望に行きます」

その学校でなければならない以上、少なくともその試験会場では他の選択肢はありません。
だから
「次回再度受けます」
くらいの回答が妥当です。
つまり「どうあってもその大学に行きたい」という意識を作って、志望理由を考えます。

「落ちたらいやだから」くらいの思考では「どうしても行きたい人」には及びません。

入ってからどうするかを常に考えておきましょう

頭の中に必ず宿らせておきたい意識は、「入ってから何をするか」「入ってから、何ができるようになるか(伸びるか)」など、かなり具体的なものです。
一番大切なのは合格後です。「合格後、入った学校で何をして、どんな成果をあげるか」「そのためにどんな技術、能力を持っているか」「あるいはどんな訓練を積み重ねてきたか」

大半の大学の先生が聞きたいことは、「うちの大学院に入って何をするの?」ということです。ここがすべての出発点です。そこができている人から合格に近付くと考えるべきなのです。


これは京都文教大学の先生も仰っていましたが、「誰かの役にたちたいから」などと言ってしまうと、「誰の?」となってしまいます。熱意だけでは・・・の典型になってしまいます。志と理念が明確だと、必然として、言葉が具体的になり、説得力が増してきます。


そもそも志望理由は難しい

毎年、志望理由書作成は塾生を悩ませます。研究計画との両立が大変です。ある大学の先生から、最近の学生は自己アピールが苦手だからこういった書類の書き方を教えてやってくださいと依頼を受けたこともあります。 そもそも志望理由書を書くことは、とても難しいことです。苦手な人はだいたいの大枠を先に作るという方法もあります。一例を挙げると、
①軽い自己紹介(実績、経験を含む)
②①における問題意識
③②における取り組みの中での○○学校との出会い(先生、論文も含む)
④○○学校に関心を深めたところで、オープンキャンパス参加(先生の講演会なども含む)
⑤オープンキャンパス等で魅力に映ったところ(コロナ禍もあってオンラインも含めて学校によります)
⑥もう一つ独自に魅力に思えるところ(ここが腕の見せ所:自分の能力を活かせる系がオーソドックス)
⑦将来の展望(○○学校だからこそ描けるもの)
⑧以上からどうしても○○学校でなければならない
当塾で実際に作る際には、当然ながら、もっと個人に合わせて綿密に枠を作りますが、概ねこれでも通用すると思います。まずは①から最後までの筋が通っているかどうかが大切です。これを入り口にして、いろいろ考えてみましょう。

良い志望理由書を「作る」ことを心がける

冷静に考えてみると、気付くのですが、志望理由書は、学校を決めてから作ります。これは意外と重要なことです。志望理由が定まってから学校を決めるわけではないのです。これも志望理由書を難しくする一つの要素とも言えます。しかし、一方で、私の言い方ですが、これは事前にできるテストのようなものです。また、要項に、誰かに見てもらってはいけない、と書いてあるわけではありませんし、添削をしてもらってはいけないとも書いてあるのを、私は見たことがありません。したがって、他人の助けを借りてでも、最後まで良い物を作ることを心がけるべきでしょう。また、良い物ができるなら、出願だけでアドバンテージをとれることになります。逆の見方をすれば、この書類が足を引っ張るということも十分にあるということになります。医学部受験ならば、書類審査が一次試験というところもたくさんあります。私はこのような書類審査は得意です。そのため、私たちからすると、こういった書類をしっかり課してくれる大学の方が受験しやすいと考えています。
良い志望理由書の定義は一つです。要するに、どんなことを書いたとしても、読み手に「そりゃ、この人はうちの大学に来るしかないな」と思ってもらえればいいのです。ただし、それが難しいのです。また、いざ書くとなると、欲をもう少し出したい面もあり、プラスアルファとして、相手が「この人に来て欲しい」「この人と一緒に研究してみたい」と思ってもらえれば素晴らしいことです。最低限「この人は、なかなか優秀かも」と思ってもらいたいところです。良い志望理由書に「相手が欲しくなる志望理由」が加わっていれば、かなりのアドバンテージになります。優秀とおぼしき人が、確実にその大学に入りたいと言っているということになりますから。ただ、これがまたさらに難しいのです。なぜ難しいのでしょうか?

良い志望理由書は読み手を説得できる

相手が必ず絶賛するような完璧な志望理由などないからです。よっていかに納得してくれるかがポイントになります。文字数が許す限り、試験官を説得するのです。相手に「わかった」と言ってもらいたいところです。要するに、「それならうちの学校しかないね」と思って(言って)もらえれば、極端な言い方ですが、それでミッションコンプリートです。納得をしてもらうには何か決定的な理由が必要です。決定的というからには、具体的である必要があります。具体的にするには情報が必要です。情報は多ければ多いほど良いでしょう。情報はインターネットなどで公開されている情報とされていない生の情報と両方が必要です。できれば、生の情報を入手しましょう。まずこの生の情報を入手するところが、難しさを生む第一ハードルになるのです。できるだけたくさん、受験する予定の学校に足を運びましょう。今年は無理ですが、できるだけアクセスをとりましょう。電話かメールを入り口にしましょう。オンラインも含めて、オープンキャンパスや説明会情報をよく見ておき、少々無理をしてでも参加しましょう。オープンキャンパス参加は十分志望理由に使えます。一つでも説得する材料を増やしましょう。そして、先生をしっかり調べておきましょう。例えば、年齢なども大切です。定年まであと1年の場合、指導教授になってもらえない可能性もあります。あと、論文はできるだけ多く集めておきましょう。受験する学校の先生の論文については、読み込んでいて損はありません。

オリジナリティも必須

難しさの第二ハードルは、オリジナリティの出し方です。仏教の「苦」と同じで、代わりがきかないところがポイントです。「私がその学校に行って、その資格を取らねばならない理由」です。他の誰でもないのです。だから、過去の成功例としての志望理由書をそのまま写したとしても、その人のものにならなければ合格には届かないのです。そのため、オリジナルのものを作るにはどうすれば良いか、ということを考えていかねばならないのですが、容易なことではありません。もちろん、オリジナルを作る前に基本を押さえておかねばなりません。オリジナルを作るには、第一ハードルの情報を駆使して、自分にしかできない経験を語り、その中で自分にしかない問いかけを語ると近づいてきます。
この二つのハードルを越えて構想を練ります。

まずはとりあえず書いてみる

第三のハードルですが、実際に文字情報化することです。もちろん、これはこれでとても難しいです。多くの人は、これを第一と考えているところがありますので、要注意です。上記の二つのハードルを必ず越えておきましょう。
いざ書くときが来たら、もう少しチェックしておきたいところがあります。

①総合字数と書式があればよく見る。
今私が手がけているだけでも、文字数が、600程度、800、1200、2000、特に制限なしとがあります。これもよく見ておく必要があります。まず例えば「800字以内」となると、オーバーしてはいけません。「800字程度」となると、少しオーバーしても構いませんが、いずれにしてもに少ないのはおすすめできません。次に制限がない場合ですが、これはなかなか困ります。これもパターンがいくつかありますが、指定の用紙があり、行の線が入ったものと、無地(枠あり)のものと、マス目のものとがあります。最近、マス目は減りました。たいていの場合、行線のものか、無地です。この場合、字数で考えるのが良いかと思います。字数は、A4一枚分を適量とし、だいたい1200字(40文字×30行)から1600字(40×40行)を限界とします。それ以上になると、読み手が疲れます。本当は、1行40字は多くて、人間の目の幅だと、少し追いにくいようです。正確には左右に追ってしまいます。要するに首が左右に動いてしまいます。一番見やすいのは33文字程度かなと思います(実際使うことはほぼありませんが)。また、用紙指定がない場合は、A4で出すのが基本です。余白の規定等がなければ、できるだけ左右の余白を広くとり、文字間隔を詰めます。また行間は広い方が読みやすいので、できるだけ広げます。そう考えると、40×30行の1200字が適量だと見ています。フォントは明朝かゴシックが基本です。草書などは避けましょう。ポイント数は10.5から12ポイントが通常です。これ以上、大きくも小さくも不適です。
②アピールポイントを書く
字数に余裕があれば、例えば、留学をした経験があれば是非書きたいところです。TOEICなどのスコアも自慢できると思うくらい取れていれば、書いても構いません。ボランティア経験などをうまく組み込むことも可能です。誰が見ても、優秀と思ってもらえるポイントがあるならば、うまく入れることが重要です。
ただし、これは、入れ方を間違うと、逆効果になることもありますので、よく考えてから入れる必要があります。

志望理由は書類だけではなく面接でも聞かれる

志望理由は、書類だけではなく、面接における永遠のテーマです。これが聞かれない面接の方が圧倒的に少ないと言えます。何度も書きましが、志望理由とは、その学校やその分野、その資格でなければならない理由のことです。その学校でなければならない理由と言われても、それほどたくさんは作れません。母校ならまだしも、行ったことのない大学でなければならない理由は、なかなか難しいものです。その分野でなければならない理由を作るには、まず考えなければならないことは、自分の実績です。私は常に塾生に「適正な自己分析」をするように伝えています。よく言われるのが「私は何もできない」「何もない」などですが、これまでの経験では、本当に何もない人は滅多にいません。たいていの人は何かを持っています。例えば、20年同じ部署で勤めたという人は、「ただ勤めただけ」と言うのですが、私に言わせれば立派な実績です。なかなか20年勤続することは今の時代難しいことだと思います。この20年をいかに重要な年月にするかがポイントになるのです。決して諦めず、自分が何をしてきたのかを、じっくり考えてみると、必ず大義名分がたち、良い志望理由ができると思います。特に考えて欲しいことは、これまでの経験の中で忘れられないこと、強く疑問に思ったことです。その出来事を一度文章化しておくと、様々な局面で使えますので、極力早くその作業をしておくことがおすすめです。このように志望理由を立てるには内と外をしっかり作っておくことが重要ですもちろん、我々京都コムニタスは、そのような各人の「中身」を引き出すことに日々力を注いでいます。

志望理由書の書き方は心理職大全に詳しく書きましたので、是非ご参照いただきたいと思っています。

また直接コーチングを受けたい方は、志望理由書コーチング体験予約からお申し込みください。
1回につきお一人様限定となりますが、書き方をすべてお教えします。

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

井上博文
専門家

井上博文(塾講師)

株式会社コムニタス

塾長以下、スタッフが、全ての生徒の状態を正確に把握している。生徒をよく観察し、成長度合、どのような不安や悩みを抱えているか、をしっかりと観察し、スタッフ間で情報共有をしている。

井上博文プロは京都新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

大学院・大学編入受験のプロ

井上博文プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼