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井上博文

大学院・大学編入受験のプロ

井上博文(いのうえひろふみ) / 塾講師

株式会社コムニタス

コラム

「編入学志望理由書」という文書は危険です

2017年10月28日

テーマ:大学の先生を納得させる志望理由書の書き方

コラムカテゴリ:出産・子育て・教育

コラムキーワード: 志望理由書 書き方

よくあることですが、「編入学志望理由書」「大学院志望理由書」といったような、大学の名前を少し書き換えれば、どこにでも出せるように作る人がいますが、これは志から間違っていて、大変危ういものです。私たちはこのような文章は不誠実と感じます。いつも言うように、志望理由書とは、その学校、学科、資格でなければならない理由です。それらが「一番いい理由」ではありませんし、「第一志望」であることを主張する文章でもありません。2番目以降が想定される文章では、何の説得力もないのです。論理的な文章は、基本的に他者、すなわち読み手を説得するすることを意図して書きます。そのため、説得力が必要になります。説得力を持たせるには、少なくとも読み手に対しては誠実に書く必要があります。そのためには、「できること」を書くとうまくいきます。失敗する人は、「できないこと」「できなかったこと」を書こうとし、それをするには●●大学ではなく、「編入学」をすれば解決するかのように書くのですが、もちろん、理屈としておかしくなります。例えば、「●●語が読めないから、○大学に入れば、△△の研究ができるようになる」というのは無理筋です。別に大学に入るという理由でもって、●●語が読めるようにはならないからです。すでに●●語を習得していると主張する方が、少なくとも「入学したい」という意思を示すには有利になります。「これまで●●語の能力を磨いてきたから、その能力を△△の研究に活かして、××の発見につなげていきたい」と言った方が、当たりか外れかはおいたとしても、説得力は一定程度あります。ただ、「できること」を書くと、行き先はかなり限定されることになるのです。よく言えば絞れます。当然ながら、何らかの研究分野の先生は、数が限られますから、うまく書くと狙い撃ちをすることができるのです。相手の名前を想定せず、「編入学志望理由書」という文章を作ってしまう人は、最初から最後まで説得力を欠いた文章を書いてしまい、そこに気づかず、大学名だけを変えてしまうと、自分が何を伝えたいのかを考えずに書いてしまいます。これはテクニックの問題というよりも、その人の志の問題と言えます。これから志望理由を書こうとする人は、一度、振り返って考えてみる必要があります。



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