REBT(論理療法、論理情動療法)について①

井上博文

井上博文

テーマ:REBT 論理療法

11月12日(日)10:30から
心理職スキルアップ講習「REBTのカウンセリング技術を身につける」を行います。臨床心理士資格更新ポイント申請予定講座になります。

不安が強い
怒りっぽい
(何かが明確ではないが)怖くて学校や会社に行けない
やる気がでない
自己肯定感や自尊感情が低い
会社や学校などでの人間関係での悩みがある

このような方は是非、ご参加いただけたらと思います。

併せて、すでに心理の資格をお持ちの方で、スキルアップをしたい方、
カウンセリング技術の一つを学びたい方
REBTを習得したい方

是非、おすすめの講座になっています。

この講座ではREBTの概説をしてABC理論をかなり詳しく解説しようと思っています。
ここではそれに先駆けて、講座を楽しんでいただけるように、また理解が深まるように予備知識になる話をしていきたいと思います。




私は、REBTを始めて20年に近くなりますが、自分の中でどこが変わったかと考えてみると、一般に言う「感情的」になることがかなり少なくなったと思いますし、周囲もそう見ていると感じるようになりました。
また自他の「不健康でネガティブな感情」常に意識をするようになりました。言い方を変えると、どんなに長く生きても、自分なりに勉強をしても、こういった感情はなくなることはなく、しかも底がなくいくらでも湧き上がってきます。
大阪の万博やカジノの状況を見ていると、自分の裁判のことを思い出し、同じような構造で、挨拶代わりに、息を吐くように嘘をつく連中を見ると、なぜか怒りが湧いてきます。
また、この政党は犯罪者集団ですが、こういう連中がまた毎日のように犯罪を犯すと、やはりなぜか怒りが湧いてきます。

不思議なのですが、私は、こんな連中に投票はしませんし、関わりをもつこともありません。だから関係はないはずなのに腹がたつのです。

その理由を考える必要はあるのです。
それは「彼らが嘘をつくから」が直接の理由ではないのです。
嘘をつく彼らを見ると、私の中にある人生哲学が発動するのです。
しかも、それは合理的ではなく、むしろツッコミどころ満載の哲学なのです。
これを「イラショナルビリーフ」と言います。漢字では不合理な信念です。
だから、怒りにまかせて、連中に何かを言っても、結局彼らと頭の構造が同じということになるので、あまり意味がなくなり、かつ、不毛なやりとりにしかならないのです。

じゃあ、相手にしなければいいのかというとそれもまた違うのです。

なんとも難しい・・・

REBTではこういった怒り、不安といった感情を不健康でネガティブな感情と言い、こういった感情やストレスが血圧をあげたり、免疫機能を落としたりと、からだに直接悪影響を与えることもわかってきています。

アルバート・エリスは90歳を超えるまで、現役の研究者でした。単に長寿というだけではなく、一線で活躍し続けられるには、身体が丈夫だったというだけの要因ではないと思います。(実際、エリスはそんなに丈夫ではなかったそうです)
やはり自らが考案したラショナルな生活が大きな役割を果たしたのだと思います。気づかぬうちに、不健康でネガティブな感情に取り込まれやすい社会状況を、私たちは、よく見渡して、今一体何が起こっているのかということを冷静に考えてみる必要があり、どうすれば、その状況から脱することができるか、どうすればそういった感情に支配されずにすむか、というトピックで思考をしていかねばならないと感じています。


REBTはセルフヘルプとしての有効性は高く、自分で自分の感情をコントロールすることができるようになってきます。その要諦は、健康でネガティブな感情の獲得です。しかし、最初からこの感情を獲得するのは難しく、まずは、不健康でネガティブな感情への気づきを入り口とします。感情というのは、本来言葉にするのが非常に難しいものです。
怒っていても、言葉で「私は怒っている」と言ってみても、身体が感じている怒りの度合いと、必ずしも一致するとは限りません。どちらかというと、身体が感じている怒りを大切にすることが重要です。つまり、不健康でネガティブな感情を頭以外の部分が感じると、「自滅的な行動」が出やすくなります。私の知っている人で、怒るとすぐに自分の枕を攻撃する人がいますが、程度の差はあれども自滅的行動の一種と見なせます。また怒ると、机や壁をドンドンと叩く人はよくいますが、これも典型的な自滅的行動です。机や壁を叩いても何の解決にもなりませんし、対象物か自分の手が少なからぬダメージを受けます。こういった自滅的な行動が、反応として出てしまう感情をあえて言葉で言えばどんな感情だろうと考えてみると、より適切な感情に対する言語表現ができるようになります。
受験分野において、誰しもが感じるのは不安です。基本的に私は不安の力を信用しません。不安は、人間に未来があって、感情がある以上、なくしてしまうことは不可能ですし、その必要もありません。無理な物をなくしてしまおうとすること自体が、イラショナルビリーフですし、そこにこだわると余計に不安になります。要は不健康でネガティブな感情とどう付き合うかがポイントです。
例えば、体調が悪いと、いろんな感情が湧いて出てきます。
仕事に穴をあける不安
自分の不甲斐なさへの怒り
相手、他人への罪悪感
どうしょうもないことはわかってはいるけれど、また、こんな感情を持っても誰の得にもならないことはわかっているけれど、どうしょうもなく湧いてきます。
これを湧いてこないようにするのではなく、面倒でも、一つずつ向き合って、理論的に論破していきます。(REBTではDisputeといいます)
そうすることで、例えば仕事に穴をあける不安も
「他の人がフォローしてくれる」
「また別の日に埋め合わせしよう」
「たまには休めということかな」
こんな理屈を自分でたてておくだけでも、かなり変わってきます。REBTはこのような感情コントロールのための理論武装に大いに役立ちます。

しばらくREBT特集をします。


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井上博文(塾講師)

株式会社コムニタス

塾長以下、スタッフが、全ての生徒の状態を正確に把握している。生徒をよく観察し、成長度合、どのような不安や悩みを抱えているか、をしっかりと観察し、スタッフ間で情報共有をしている。

井上博文プロは京都新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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