2月の勉強方法ー心理系大学院の面接対策

井上博文

井上博文

テーマ:確実に心理系大学院に合格する勉強方法

2月になりました。受験シーズン突入です。何度も言っていますが、心理系大学院の難易度は今年度から急激に高まっています。取れる点数は決して落とさない心がけが重要です。2月受験をお考えの方は、面接対策をしっかりしていく必要があります。面接の重要性についてはこれまでも述べてきました。
こちら
また心理職大全にもかなり詳しく書きましたので、是非ご覧いただけたらと思います。

まずは受ける学校のことをよく知っておく

面接の対策は間違いなく必要です。面接は基本的に加点要素よりも減点要素の方が強い場合が多いですので、準備をしっかりしておくべき種目です。「何から」すればよいかということについては、ある程度順序があります。第一にあげられるのは、面接対策のころには受験校は決まって、出願しているか、出願書類提出間近くらいの時期になっているはずです。だとすると、まずは受験する学校のリサーチです。自分が受験する大学に関する知識をたくさん仕入れておかねばなりません。相手のことを全く知らずに受験にいくのは避けるべきです。すでに書類で志望理由書を書いている人は、リサーチもある程度できていると思いますが、志望理由書を書いていない場合は、あらためて面接用のリサーチが必要です。口頭で志望理由が言えるようにしておくことは必須になります。
「どこでもいいから合格したところに行く」という考え方は全てにおいて間違っているわけではありません。●●大学しか行かないと言って、こだわって、結局失敗するというパターンもよく見てきました。ですから、面接対策以外において、確たる根拠のないこだわりを持つくらいなら、「どこでも行く」という柔軟さは必要ではあるのです。しかし、一方で、柔軟ではなく、ただ漠然と「どこでもいい」と考えるのもそれはそれで適切ではありません。
「行きたいところに行ってやりたいことをやる」
これがすべての基本です

リサーチをしてまずは志望理由を固める

志望理由は、いつも言っていることですが、「その学校でなければならない理由」であって、その学校が一番いい理由ではありません。(その学校でなければイヤというのもダメです)
それを作るのは簡単ではありません。だから、面接でうまく答えると点数になるのです。
では志望理由のために何をリサーチするのかというと、まずは先生です。どのような論文を書いておられるか、から始まって、大学院ゼミを担当しているかどうかも大事です。可能であれば、年齢なども知っている方が良いでしょう。せっかく指導をうけることを希望して合格したのに、入学してみたらあと一年で定年のため、修論指導をしてもらえない、なんてことは少なからずあります。学校にもよりますが、大学院指導は年配の先生の方が多いことは確かです。オープンキャンパスに行けば、そのあたりの情報をもらえることも多いので、今はオンラインが多く、施設を見ることができないこともありますが、それでも是非参加しておきたいところです。臨床心理士指定大学院の場合、研究室環境も重要です。中には今時考えられないような環境のところもありますが、中にはお金をかけて、最新鋭の施設を設置しているところもあります。是非、説明を受けて、良い施設のところは志望理由にしましょう。
さらに志望理由を考える場合、先輩がどんな研究をしているかを見ておくことも重要です。自分が目指す研究と同じような研究があれば、その研究に対する指導がなされているということですので、これも志望理由になります。あとは実習状況なども重要です。どのような実習がなされているか、これも注意しておきましょう。

意外に知らない面接対策方法

面接が重要ではないと思っている人は、それほど多くはありませんが、実際に対策となると、何をすればよいかわからないという人の方が多いと思います。冷静に考えると、面接の経験を山ほどしている人はそうはいませんし、そんなに受けている方が、何か問題がありそうですし、そんなに受けているということは不合格経験も多い可能性が高いので、信頼性に欠けるかもしれません。詰まるところ、面接対策は自分の経験値よりも、「相手に合わせる想像力」の方が重要になります。例えば、「どういった経緯で本学を志望されましたか?」と聞かれると、「経緯」が聞かれたわけであって、「志望理由」が聞かれたわけではないのです。ここで相手に合わせられず、自分本位になってしまうと、「暗記」した志望理由をAI音声のように話してしまうわけです。それは「ズレ」ということになり、「質問に答えていない」ということになります。また、志望理由をうまく作ったとしても、丸暗記をしていこうとする人が少なからずいます。面接は、会話をする場であり、相手方の質問に答えて、こちらの持つ情報を提供して、相手に自分が、いかに相手方の学校に入りたいのかを示して、説得して入れてもらおうとする場です。このことをいつも基本としておく必要があります。相手方の聞きたいことをいつも考えて、その上で、相手が欲しい人材がどのような人材かを考えて、自分がそれに適合していると(極論、嘘でも)、考えて(極論、思い込ませてでも)、その場に合わせた自分を作るように、想像力を働かせます。この想像力が「適性」を作り、相手方はその適性をしっかり見極めます。

相手方が考える適性に対する想像力を全力で働かせる

私は、必修の授業の面接対策において、まずは、面接ではぶっちゃけトーク、つまり、カミングアウトの禁止を言っています。本音を出し過ぎると、結局自分の中にある不安などの感情も伝えてしまいます。これは話を「聴いてもらっている」状態で、少なくとも心理職を要請する大学院の面接には不適切です。そうであるならば、面接において必ずしもすべて本当のことを言う必要はないのです。
『面接ではウソをつけ』 (星海社新書)なんて本もありましたが、全部ウソをつくわけではなく、「建前」をうまく使うという意味で解釈すればよいでしょう。

あらゆる適性のない人は、他人の話が聞けない人

面接に限らず、あらゆる局面で嫌われるのは
「人の話が聞けない人」です。
人の話が聞けない人は、すぐに「イヤ、デモ」と言います。面接ではもちろん御法度です。また、こういった人は話し手が言い終わらないうちから、口を挟んできます。このような人は、話を聞く姿勢に欠けるのはもちろんですが、非常に攻撃性が強く、「だ・か・ら・・」と言って(私もその傾向が・・)、先に仕掛けないと不安になってしまうようです。当然ながら、そんな態度は、相手を不愉快にする以外の役にはたちません。また、話が聞けないのですから、常に自己中心主義で、他人を思いやるということがないと判断されてしまうと、合格はかなり厳しくなります。

適性がないと思われないようにする

心理系大学院に限ったことではありませんが、面接対策の際の自分作りの時に、いつも意識しておきたいのは「適性がないと思われない」ことです。言い方を変えれば、自分の中の減点要素をそぎ落としておく方が先だと言えます。特に意識をしたいのは、余計なことを言わないことです。余計なこととは、自分のネガティブなこと、質問されていないこと、他者の批判(悪口)、カミングアウトなど、結構たくさんあります。逆から言えば、言わねばならないことは意外に少なくて、限定されているということでもあります。だからといって軽く考えると大失敗するので要注意です。なぜなら、それだけ何回もそして多くの大学でなされてきた質問ということですから、試験官は良い答えと悪い答えもたくさん見てきたということになります。そのため、このような固定された質問に答えていくには、それなりの勉強が必要です。基本的心構えとして、自分が入っていこうとする「場」で具体的にどんな行動をとろうと考えているのかを明確にしておく必要があります。

面接対策とは、質問力を身につけること

当塾で面接対策をするときは、常に塾生が私に質問をするようにします。つまり面接官役を生徒がします。その上で面接官が聞きたいことを想定して、私が回答例を出していきます。一通りの基本的な回答はすでに授けているつもりですので、ここでは「臨機応変」を身につけてほしいと思っています。例えば、面接では基本的に自分とってネガティブな回答を言う必要はありません。しかし、時には「短所」が聞かれることもあります。しかし、だからといって一生懸命自分の悪いことを探して言う必要はありません。例えば「私は協調性がない」とか言われてしまうと残念です。ただ、ああ言えば(言われれば)こう言うをイメージするには必ず対話者のことを考えていなければなりません。そうやってイメージトレーニングをして、こんなことを言えば面白いだろうなぁという言葉をたくさん作っていくことが重要なのです。

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井上博文(塾講師)

株式会社コムニタス

塾長以下、スタッフが、全ての生徒の状態を正確に把握している。生徒をよく観察し、成長度合、どのような不安や悩みを抱えているか、をしっかりと観察し、スタッフ間で情報共有をしている。

井上博文プロは京都新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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