第1回公認心理師試験振り返り⑤ー条件付け
心理職大全に関するお問い合わせをよくいただくのですが、OBの人からよく聞かれるのは、執筆の動機です。
以前から、このコラムを本にまとめませんか、というお話は4、5回いただいていましたが、私自身にあまりその気がなく、立ち消えになっていました。今回は、東京図書さんからお話をいただき、担当者の方がとても誠実であったことと、私たちのやろうとしていることをかなり理解していただいていたことなどがスタートラインでした。また、ビジネス書のような立ち位置ではなく、学術書とは言えないものの、同等の価値基準で取り組んでいただけたことも重要な動機になりました。
私はこのコラムでも、70校以上の大学にインタビューをさせていただいたことを書いてきましたが、実は、そもそもインタビューを始めたのは、この本のためではありませんでした。インタビューを始めたあとに、出版の話をいただき、より加速していったのです。だから最初は、このコラムでインタビュー内容を公開しようと思っていたのですが、状況が変わりこの本につながりました。
私の基本テーマはまず「どの人も大学院に行こう」です。お受験に始まり、莫大な金額をかけて大学まで来たのに、そこで何もせずに4年間が終わってしまうことはあまりにもったいないことですし、私個人の持論は何度も言いましたが、大学生のフリーエージェントです。だから、どの人も大学院まで言って、自分でも驚くほど勉強をしてから社会に出た方がいいと思っていますし、学会で最先端に触れることも将来に大いに役立ちます。自分が見たこともない、異能とも言えるハイスペックに出会うことも他ではできないことです。大学院に行くとその分野のスペシャリストにたくさん出会うことがあります。価値基準も様々で、意味不明なことを言う人にも同じくらいたくさん出会います。最初は「変な人」と思っていたのですが、その内、実は自分の能力が足りていなかったことを思い知ることもたくさんありました。
私にとっての大学院での経験は、今の仕事にとっても不可欠な経験です。ただ、私が大学院生の時は、「大学院に行くと食えなくなる」が当然のことでした。とはいえ、私と同級の院生たちも、なんだかんだで就職する人はしていましたし、全くどうにもならないということはないとも思っていました。それでも大学院に対するネガティブな印象は確かにありました。それは私が見てきたものとは大きく異なっていました。しかし、京都コムニタスを設立してから気付くことになるのですが、臨床心理士は大学院資格として、「食べていける資格」です。大もうけできるかどうかは、それぞれです。それはどの資格でも同じです。弁護士で年俸5000万の人を知っていますが、一方で、年収300万円台の弁護士も知っています。ただし、後者は別に自分が不幸とは思っていません。本当にそれぞれです。臨床心理士は、一般的に高収入とは言えませんが、何とか食べていける資格としては、とてもよい資格だと思っています。実際にインタビューをしてみると、食べていけないと言われたことは一度もありませんでした。地域によっては、全員常勤職についているというところもありました。このあたりが生情報でもって裏付けられてきたことが、『心理職大全』を出版しようとする動機になりました。
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