公認心理師試験過去問を見る際は日本語をしっかり分析しましょう③
おそらく年明けまもなくブループリントが出ると思われます。だいたい試験の半年前くらいですから、1月中には出ると考えられます。
Gルート最後の試験になりますので、受験をお考えの方は、早めの準備が必要です。これまでの傾向から明らかなのは「臨床心理士とは異なる資格」であるということ、「幅が広い」ということです。短い期間ですべてをカバーすることはなかなか難しいと言えます。受験者数はあまり重要な予測ではありませんが、今年と同じくらいか、少し多いくらいでしょう。だいたい2万程度から少し増えるくらいと予測するのが妥当でしょう。合格者数と合格ラインはとても気になる情報です。私は合格安全圏を150点くらいと見ています。ですから模試でも150点を目指していただけると、合格ラインに近くなると思います。合格率や合格者数はそれほど大きな違いは出ないと見ています。第4回試験のGルートの受験者数が18,075人で合格者が 10,069人です。合格率が 55.7%です。第5回も同様の数字ということは、1万人近くの不合格者が出ることはどうしても予測としては生じてしまいます。
そんなこんなで、繰り返しですが、早めに公認心理師試験対策をしておきましょう。では、どんな勉強方法が良いのか、ということになります。まず重要になるのが、幅が広いですので、全体像を見渡すことです。全体像を見渡すには、まずは指定されている科目を見ることですが、より効率が良いのはやはりブループリントを見ることです。もちろん、ブループリントからそのまま出るということではありませんが、例えば、ブループリントの変更点は必ずチェックをしておく必要があります。やはりかなりの確率で出題されます。
ブループリントが公認心理師及び公認心理師試験の全体像を見るには、重要な資料であることは明らかです。当塾の主任の分析に従って、よく出題される「小項目」を羅列しますと、以下の通りです。
公認心理師法、多職種連携、地域連携、秘密保持義務、関係者等との連携等、多重関係、 スーパービジョン、認知心理学、認知行動アプロ ーチ、社会構成主義、心理学における研究倫理、事例研究、質的研究、重回帰分析、仮説検定、心理物理学、短期記憶、長期記憶、古典的条件付け、オペラント条件付け、基本感情論、特性論、パーソナリティ検査、中枢神経、大脳皮質、視床下部、自律神経、脳波、社会的認知、思考、Piagetの発達理論、アタッチメント、ライフサイクル論、乳児期、ASD、AD/HD、アタッチメント障害、喪失と悲嘆、ICF、発達障害、障害者総合支援法、合理的配慮、特別支援教育、ペアレントトレーニング、テストバッテリー、アセスメント、ケースフォーミュレーション、インフォームドコンセント、インテーク面接、質問紙法、投影法、描画法、知能検査、発達検査、心理療法、認知行動理論、人間性アプローチ、アウトリーチ、援助要請、エビデンスベイストアプローチ、共感的理解、ストレス症状、心身症、自殺対策、職場復帰支援 、依存症、認知症高齢者、ひきこもり 、心理的応急処置<サイコロジカル・ファ ーストエイド、知的障害、 要保護児童、身体的虐待、性的虐待、ネグレクト、 心理的虐待 、 認知症、高齢者虐待、喪失、虐待への対応、障害受容、改訂版長谷川式簡易知能評価スケール <HDS-R> 、 内発的及び外発的動機づけ、 自己効力感、原因帰属、学習性無力感、学級崩壊、いじめ、非行、 学業不振、スクールカウンセリング、教育関係者へのコンサルテーション、 アセスメント、チーム学校、学生相談、 裁判員裁判 、キャリアコンサルティング、障害者の就労支援、ワークライフバランス、リーダーシップ、動機付け理論、主要な疾病、緩和ケア、主要な症状と状態像、統合失調症、 神経症性障害、ストレス関連障害及び 身体表現性障害(F4) 生理的障害及び身体的要因に関連した 行動症候群(F5) 成人のパーソナリティ及び行動の障害 (F6) 、副作用、向精神薬、精神科へ紹介すべき症状、医療法、精神保健福祉法、医療事故防止、DV防止法、いじめ防止対策推進法 、特別支援教育、通級、少年法、医療観察法、保護観察制度、障害者雇用促進法、心の健康の保持増進のための指針、ストレスチェック制度
以上かなり読みにくいかもしれませんが、ただ羅列しました。もちろん、これだけではありませんし、新しいブループリントが出ると、もう少し深く分析する必要があります。あらためて、心理研修センターが言う、ブループリントについて引用すると、
公認心理師試験出題基準とは
定義
公認心理師試験出題基準は,公認心理師試験の範囲とレベルを項目によって整理したものであり,試験委員が出題に際して準拠する基準です。
ブループリントとは
ブループリント(公認心理師試験設計表)は,公認心理師試験出題基準の各大項目の出題割合を示したものです。
これに基づいて,心理職に対するニーズが高まっている近年の状況を踏まえ,社会変化に伴う国民の心の健康の保持増進に必要な分野を含めた幅広い分野から出題するほか,頻度や緊急性の高い分野についても優先的に出題することになります。
公認心理師試験出題基準の利用法(以下,出題基準より)
はじめに
公認心理師試験は、公認心理師法第5条に基づき「公認心理師として必要な知識及び技能」について行われる。
また、同法第2条では「保健医療、福祉、教育その他の分野において、心理学に関する専門的知識及び技術をもって」公認心理師の業務を行うこととされている。さらに、同法第42条第1項では「公認心理師は、その業務を行うに当たっては、その担当する者に対し、保健医療、福祉、教育等が密接な連携の下で総合的かつ適切に提供されるよう、これらを提供する者その他の関係者等との連携を保たなければならない。」とあり、同条第2項では「公認心理師は、その業務を行うに当たって心理に関する支援を要する者に当該支援に係る主治の医師があるときは、その指示を受けなければならない。」とされている。
このような公認心理師として業務を行うために必要な基本的知識及び技能を具体的な項目で示したものが、公認心理師試験出題基準である。公認心理師試験委員会は、公認心理師試験の妥当な内容、範囲及び適切なレベルを確保するため、この基準に拠って出題する。
この箇所は非常に大切だと言えます。つまり、「保健医療、福祉、教育その他の分野において、心理学に関する専門的知識及び技術をもって」が全体像であり、心理学の基本的知識に加えて、このような分野への応用を意識しておく必要があるということです。これは法律に明記されていることに沿いますので、この部分は、これからブループリントが変わったとしても、法律が改正されない限りは、常についてまわることになります。
利用方法
1 大・中・小項目
(1) 大項目は、「公認心理師カリキュラム等検討会」の報告書(平成29年5月31日)記載の到達目標の項目である。ただし、一部については、内容を明確にする観点から改変している。
(2) 中項目は、同様に、「公認心理師カリキュラム等検討会」の報告書記載の到達目標の下位項目である。ただし、一部については、内容を明確にする観点から改変している。
(3) 小項目は、中項目の内容に属する概念及び用語の例を具体的に記載し、可能な限り出題テーマを明確化している。他方、出題は、この出題基準に記載された事項に限定されるものではなく、法律、政省令等に規定される事項、厚生労働白書などの公刊物に記載されている事項などからも出題される。
この基準から言うならば、勉強するためには、小項目が最も重要ではないかと個人的に思います。これは人によって異なるとは思いますが、全体像が大きい人ほど、大項目から勉強できます。心理学の経験がない、現任者は小項目から勉強する方がいいでしょうが、全体像が見えるまでに時間がかかります。
もちろん、そもそも全部を出すことは無理ですから、出ないものもありますが、確率としては高いわけですので、やはりブループリントは一級の教材と見て良いと言えます。ただ、もちろん、これだけ見ても、点数にはなりませんので、繰り返して言うことになりますが、まずは、全体像を描くために用いるのが良いでしょう。全体像を見渡すと、これも繰り返しですが、幅の広さにちょっと圧倒されるのですが、逆の見方をすると、ブループリントの幅ということで、ほぼ間違いはありません。そのため、中項目と小項目のキーワードを使うことで、自分で体系をつくるようになれば、かなり勉強は進んでいると言えるでしょう。
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