正答以外も有益な情報です
前回の続きです。
問19産後うつ病の説明として、最も適切なものを1つ選べ。
①双極性障害との関連は少ない。
②有病率は約10%から15%である。
③マタニティー・ブルーズと同義である。
④M-CHATがスクリーニングに用いられる。
⑤比較的軽症がほとんどで、重篤化することはない。
まず①「関連は少ない」系は、これが正答になる確率は低いとみなしましょう。関連が少ないという研究成果が出ないことはないですが、それは主たる目的ではないでしょうから、とりあえず次を見ましょう。
②は知らなければわかりませんので、いったん保留。③は迷います。でも安直に答えてはいけないと思いたいところですので保留。④これは自閉症スペクトラム障害のテストです。子どもが対象ですので、除外でしょう。⑤これはサービスで即却下。②か③かは結局知識でしょう。でもふと考えてみると、マタニティーブルーズは、産後に限りませんし、男性にもあり得る話です。またケアは必要でしょうが、必ずしも治療しないといけないものでもないはずです。となると「有病率」という言葉とはかなり異なるものになります。ということで②でしょう。
問20職場復帰支援について、最も適切なものを1つ選べ。
①産業医と主治医は、同一人物が望ましい。
②模擬出勤や通勤訓練は、正式な職場復帰決定前に開始する。
③傷病手当金については、職場復帰の見通しが立つまで説明しない。
④職場復帰は、以前とは異なる部署に配置転換させることが原則である。
⑤産業保健スタッフと主治医の連携においては、当該労働者の同意は不要である。
産業分野は、ある意味公認心理師試験の見せ場の一つです。私が試験を受けたときは、この分野はちょっと頑張りました。ある程度勉強すると点数が取れると考えられることと、関係行政論を勉強すると、自然にこの分野にも勉強になりやすい面があるのが利点です。
①は即却下です。産業医は「労働安全衛生法」に沿って、産業に特化しており、病院ではなく企業の中にいる医師と言えばわかりやすいでしょうか。主治医は普通病院にいると思いますので、そこで却下。②は普通のことを言っていると思いますが、いったん保留。③は即却下でしょう。厚労省のページでは「被保険者が業務外の事由による療養のため労務に服することができないときは、その労務に服することができなくなった日から起算して3日を経過した日から労務に服することができない期間、支給される」とあります。④これは迷うところです。「原則」がひっかかりますので保留。⑤は論外でしょう。職場復帰支援の手引きには当該労働者も連携の中に入っています。また④の原則もありませんので、②が妥当でしょう。
問212018年(平成30年)時点において、児童養護施設における入所児童の特徴や傾向として、正しいものを1つ選べ。
①入所児童は、年々増加している。
②家族との交流がある入所児童は、半数を超える。
③被虐待経験を有する入所児童は、半数に満たない。
④幼児期に入所し、18歳まで在所する児童が年々増加している。
⑤入所児童の大学・短期大学などへの進学率は、おおむね60%以上である。
こういう問題こそが公認心理師試験において「難問」になるのだと思います。私が試験を受けていたら、一読して、知らなければギブアップします。ヤマカンでも日本語力でもちょっと無理な問題です。この資料にほとんど記載がありますが、これをピンポイントで見ていないとかなり厳しくなると思います。
①は減少しています(私は知りませんでした)。②が正解のようです。③これは、そんなことないと言えそうですが、実際は児童養護施設で65.6%(前回59.5%)です。④は減っています。⑤は希望者が 31.8%ですので、進学率が60%を超えることは考えにくいと思います。進学したのは0.9%という数字も出ています。
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