公認心理師試験重要キーワード DSM-5
公認心理師試験において「関与しながらの観察」というワードは何度も出題されており、必ず勉強しておくべきものになっています。ブループリントでは、14 心理状態の観察及び結果の分析の中項目に「この関与しながらの観察」があります。
第2回試験では、
問17治療者自身が相互作用に影響を与えることを含め、治療者とクライエントの間で起きていることに十分注意を払うことを何というか、最も適切なものを1つ選べ。
①自己開示の活用
②治療同盟の確立
③応用行動分析の適用
④関与しながらの観察
⑤自動思考への気づき
と出題され、解答はもちろん④になります。
北海道試験
問14 「関与しながらの観察」について、最も適切なものを1つ選べ。
① 関与も観察もともに観察者だけが行うことである。
②H . S. Sullivan が提唱した実験的観察法に関する概念である。
③ 関与と観察は不可分のものであるため、観察者は中立的に参加しながら観察を行う。
④ 観察者は現象に人為的な操作を加え、条件を統制したり関与したりしながら観察を行う。
⑤ 観察者は自身が1つの道具としての性質を持っており、自らの存在の影響を排除できない。
正解は⑤となっています。この「関与しながらの観察」については当塾の解説が以下の通りです。
Sullivan, H.S.の関与しながらの観察は、自然科学の観察において、観察者は対象に影響を与えない測定機器であることが原則であるが、その対象が人間である場合、観察者はその場に存在することによってすでに対象に何らかの対人的作用を及ぼしているため、その事実を認識した上で観察をせざるを得ない。心理支援の場面において、公認心理師と要支援者がひとつの対人的な場を形成する際には、公認心理師も場の一部であって、その影響を無視した観察はあり得ないとする考え方である。治療者がクライエントに影響を与えていることに注意を払い観察することが重要である。
この「関与しながらの観察」は9月9日にも出ました。
問44 H. S. Sullivan による「関与しながらの観察」という概念について、最も適切なものをつ選べ。
① 治療面接では、感情に流されず客観性及び中立性を維持することが重要である。
② 他者の行動を理解するには、面接に参加している自己を道具として利用する必要がある。
③ 面接 外のクライエントの行動に関する情報も、面接中に得られる情報と同等に重要である。
④ クライエントとのコミュニケーションを正しく理解するためには、現象のみに目を向けるべきである。
これは②が正答です。
共通するのは、観察者は自分が道具であることを認識して、自分が影響を与えていることを理解して観察することと言えます。サリバンという人物が解答とは限りませんので、安直にサリバンを選ぶのはやめましょう。でも、選択肢に出ることも含めて、何らかの形でサリバンや関与しながらの観察も出る可能性は十分にありますので、しっかり勉強しておいた方がよいキーワードです。
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