9月の勉強方法

井上博文

井上博文

テーマ:勉強方法

前回の続編になります。昨年も似たようなことを書きました。
こちら
あらためて月日のたつのは早く、1年前にはまだオリンピックがあることを前提で文章を書いています。この段階ではコロナ禍になるとは全く予想していませんでした。まさに一寸先は闇で、受験できる、合格できるというのは、「日常」の中にあり、平穏のありがたさをあらためて知らされます。とは言え、なかなかそんな殊勝なことを言っていられるわけもなく、時間はどんどんすぎていき、いよいよ受験直前です。願書提出が終わり、少し気が抜けた雰囲気を出している人もいるのですが、それはいけません。本番はここからです。願書を作るまでの苦労が結構大きいので、提出できると、ゴールしたような気持ちになることもあります。「先生、ありがとうございました」と先日も言われましたが、まだです。目標はあくまでも入学してからの生活です。遠すぎる未来、ありもしない未来に振り回されるのはよくないことですが、大学院や大学に入ってからの生活は、リアリティのあるものに現段階でイメージを作っておく必要があるのです。その意味で、この受験直前の勉強方法として、入学後のイメージ作りが挙げられます。
また学科の勉強も不安材料として、常につきまとってきます。不安に負けると、たいていの場合、抽象的なスローガンを言いがちです。「●●を全部やる」「××を見直す(やり直す)」「△△を頑張る」こんなことを言い出している自分がいたら、要注意です。まずやるべきことは、ここまでの勉強期間で何をしてきたかを全部テーブルに出します。たくさんしたかどうかではありません。何をしたかが重要です。必ずどんな人でもやり残しはあります。逆にすべてやりきることなど不可能です。ただ、塾にいる以上は、受験にとっては適切なことをしてきたはずですので、入塾からここまでの期間で何をしたかを自分の言葉で一つずつ具体的に説明できるようにしておくと、いい復習になります。
その上で自分に今どんな受験上の戦力が搭載されているかをできるだけ客観的に評価をしましょう。何もしていないということはまずあり得ません。またできていない、届いていない部分については、ここまで来ると、あまり着目しても意味をなしません。大事なことはできること、できるようになったこと、それらをどう活かすことができるかです。料理でもそうですが、どんなにすばらしい素材であっても、それだけでは料理にはなりません。優れた料理人は、一つの素材で、何種類もの素晴らしい料理を作ります。しかも素材を無駄にしないのも優れた料理人の仕事です。また無い物ねだりをしても、よい料理はできません。今手にあるもので、ベストを尽くすはずです。それには、今、手にどんな素材があるか、それを活かすためにどんな道具があるか、その道具を使いこなせているか、あるいはどの程度使えるか。このあたりの査定が必要です。
このあたりの意識を持って、残り期間を過ごしてみることが重要です。


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井上博文
専門家

井上博文(塾講師)

株式会社コムニタス

塾長以下、スタッフが、全ての生徒の状態を正確に把握している。生徒をよく観察し、成長度合、どのような不安や悩みを抱えているか、をしっかりと観察し、スタッフ間で情報共有をしている。

井上博文プロは京都新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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