公認心理師試験 振り返り⑥心理検査①

井上博文

井上博文

テーマ:公認心理師になるには

問8「パーソナリティや自我状態に関する心理検査について」という問題でした。
心理検査については、北海道でも何らかの形で出るでしょうし、これからも必須トピックと言えるはずですから正確な知識が必要です。とはいえ、心理検査と言ってもかなりの量がありますので、問題パターンを知っておくとより回答がしやすくなると考えられます。この問8については、机上の知識よりも現場で使ったことのある人なら、無類の強さを発揮できるでしょう。

選択肢①はMASでした。これが多面的にパーソナリティを測定する検査であるか否かという問題です。
MASについては、当塾の知識インプット講座の「心理的アセスメント②」で次のように記述されています。

MAS(顕在性不安尺度)
日本版MAS とは、MMPI から50 項目を選出し、そこへ妥当性尺度15 項目を追加して、顕在性不安尺度として独立して作成された質問紙検査。自記式時間無制限法で施行する。個人での施行も集団での施行も可能である。テイラー(Taylor,J.A.)は、精神医学的な患者は一般の個人よりも、明らかな不安兆候を示す傾向があるという考えに基づき、個人が抱く不安、すなわち身体的、精神的な不安で明らかに意識されるものを測定し、その不安の程度を明らかにすることを目的としてMAS を開発した。MAS で測定できる不安は、状態不安ではなく、特性不安である。つまり、MAS の不安得点は、人格ともいうべき元来持っている不安とも考えられる。そのため、MAS の結果は、安定的な性質のものであることを理解して、解釈する必要がある。

以上に沿えば、「多面的にパーソナリティを測定する検査」ではないということになります。


選択肢②は、IAT
当塾の解説作成チームによると、「IATとは潜在的連合テスト(Implicit Association Test)のことである。問題文には、「顕在的意識レベルの自尊心の個人差を測定」とあるが、IATの正式名称にあるように潜在的な心性を測定する検査であると解説しました。ですから、「顕在的意識レベルの自尊心の個人差を測定する」が違います。
詳しくは「IATテスト ホームページ」もあります。
「 このサイトでは、意識と非意識の乖離という問題について、これまでの手法よりもはるかに説得力のある技法について紹介しています。この新しい手法はImplicit Association Test(略してIAT)と呼ばれています」と記載されています。


続きは次回


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井上博文(塾講師)

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