第1回公認心理師試験対策模擬試験総評

井上博文

井上博文

テーマ:公認心理師になるには

第1回公認心理師試験対策模擬試験が終わりました。通信部の方は、6月30日まで受け付けができますので、勉強にご利用いただけると思います。今回の模擬試験は、とても良い評価をいただいており、嬉しい限りです。ただ、反省点もありましたので、しっかり反省して7月の模擬試験をさらに良いものにしていきたいと考えています。先日のフェアで発表した、第1回全国模試総評の一部を以下に記します。

集計902名(実際の受験者総数は、通信部と合わせて1400名以上おられます。通学で受験された方と、通信で採点に提出された方の集計です。)

平均点106.2点/180点満点
ほぼ6割(点数調整なしです)

知識問題平均62.5点/120点満点(52%)
事例問題平均43.6点/60点満点(72%)

今回の受験者の64.5%が臨床心理士でした。次に多かったのが教師(15.4%)、認定心理士(11.4%)、産業カウンセラー(9.5%)精神保健福祉士(9.4%)、臨床発達心理士(5.7%)、社会福祉士(5.1%)と続きました。医師、看護師、保健師の方々も受験しておられます。

勤務職域で多かったところは、保険医療領域52.8% 教育45.1% 福祉20.3%となっており、これは予想通りでした。医療、教育の領域で勤務する臨床心理士が多かったということだと思います。本番も似たような受験者分布になることが予想されるので、今後の勉強方法を考えた場合、臨床心理士と40%足らずの臨床心理士以外の人々がどのように勉強するか、戦術を考えていく必要があると思います。

正解率が50%以下の分野が以下の通りでした。模擬試験の総合成績表には、それぞれの正答率が出されていますので、お持ちの方は参照して、これからの試験戦略を立ててください。
心理学概論
感情人格心理学
神経生理心理学
臨床心理学概論
障害者(児)心理学
人体の構造と機能及び疾患
健康医療心理学
福祉心理学
司法犯罪心理学
関係行政論

まずはブループリントをよく見て、出題率が9%のところを確認しておきましょう。
① 公認心理師としての職責の自覚
② 問題解決能力と生涯学習
③ 多職種連携・地域連携
①から③で9%
⑯ 健康・医療に関する心理学 約 9%
⑰ 福祉に関する心理学 約 9%
⑱ 教育に関する心理学 約 9%

正答率が低かった分野として医療分野は合計すると9%
㉑ 人体の構造と機能及び疾病 約 4%
㉒ 精神疾患とその治療 約 5%
ここまでで45%になり、9%はおおむね13~14問とみて、70問程度出ることが予測されます。臨床心理士ではない人々は、まずこの70問をどれだけとれるかが重要だと言えます。さらに、いわゆる関係行政論は、様々な分野と重なるので、「㉓ 公認心理師に関係する制度 約 6%」一分野と考えない方が良いでしょう。これを重点的に勉強する場合は、まずは、現任者講習のテキストを参照して、何をもって関係行政論とするかを知った上で、特に法律の正式名称を覚えていった方が良いでしょう。
例:精神保健福祉法=「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」
これは看護師国家試験でもよく出るといわれるので、注目すべき法律。
高齢者虐待防止法=高齢者の虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律

現任者講習会テキストの「チェックリスト」は重要です。例p.61
・医療法について概説できる
・医療保険について概説できる
・地域精神保健サービスについて概説できる
・精神保健福祉法について概説できる
・精神障害者保健福祉手帳について概説できる
・心神喪失者等医療観察法について概説できる

他にもたくさんありますので、一通り目を通しておきましょう。


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井上博文
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井上博文(塾講師)

株式会社コムニタス

塾長以下、スタッフが、全ての生徒の状態を正確に把握している。生徒をよく観察し、成長度合、どのような不安や悩みを抱えているか、をしっかりと観察し、スタッフ間で情報共有をしている。

井上博文プロは京都新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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