極論に極論をかぶせても論文にはなりません
最近、この質問を受けて、ちょっと考え込んでしまいました。よく考えてみると、私自身、数え切れないくらい採点をした経験がありますが、その際は、ある程度の採点基準がやはり最初に設定されており、そこから逸脱しているかどうかがまずポイントになりました。採点の多くは減点法を用いており、100点になることはまずないということになります。しかし、たいていの場合、加点ポイントもあり、それらのバランスで採点がなされるということになります。では具体的にどこを見ているのか?と問われると、「全部、総合的に・・・」となり、自分で残念になります。そこで、もう少し具体的に述べてみたいと思います。
まず、減点されやすいポイントをあげると、定番の誤字、脱字。あからさまな文法の間違いの言葉遣い。根拠のない誹謗中傷(根拠があってもだめですが)。明確な嘘。意味をなさない擬○語:「ダーッと走った」「シャキッとした」などなど。無意味単語の連発:「まぁ」「あのー」などなど。
探してみると、他にもたくさんありますが、割愛します。
次に加点ポイントを見ると、
証拠能力のある証拠が出ている。宣言をしてからの証明ができている(偶然ではなく)。「筋道を通している」:例えば、「他人は○○をすることは許されないが、自分は(だけは)許される」では筋は全く通りません。問題の設定と回答と証拠の三点セットが合っていることです。
調査能力もあれば加点ポイントです。もちろんネットサーフィンは調査とは言いません。裁判で証拠と称して、私のコラムばかり出した輩がいましたが、それは単に私のコラムの読者であることを示す以外の証拠にはなりません。こういった現象は、他人のふんどしで相撲を取る、といった言い方がされますが、加点どころか不合格回答です。論文は読み手を説得する力が必要ですので、証拠を出す時に説得力のあるものを出せると加点ポイントになります。とても難しいことではありますが。
ただ、減点、加点をあまり考えすぎずに、本道を言えば、①具体的な事実を述べる。②哲学者と哲学の研究者の違いを理解して、「なぜ自分は生まれたんだろう」といった自分が哲学をしてしまうのではなく、具体的な回答の出る問いを立てる。③自分独自の問題の設定をする。④資料を正確に読んで、その数字に物語らせる。⑤ただ思いつきで書くのではなく、構想をもって、自分なりの枠にはめて書く。問い+回答+証拠くらいのフレームで書きましょう。⑥結論が出たら、終了とするのではなく、方向性を示すようにする。⑦できれば積極的な意見を書く。◯◯をやめようではなく、●●すれば、もっと△△が□になる、といった具合です。
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