第2回公認心理師試験振り返り⑭
ここまで公認心理師資格関連情報を連載してきましたが、公認心理師資格が取れない人はいますか?という質問を時々いただきます。法律には
第三条 次の各号のいずれかに該当する者は、公認心理師となることができない。
一 成年被後見人又は被保佐人
二 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して二年を経過しない者
三 この法律の規定その他保健医療、福祉又は教育に関する法律の規定であって政令で定めるものにより、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して二年を経過しない者
四 第三十二条第一項第二号又は第二項の規定により登録を取り消され、その取消しの日から起算して二年を経過しない者
とありますが、該当者は滅多にいないと思います。ただ、上記以外でも、実質的に難しい人はいます。
①現在、臨床心理士で、本来Dかと考えていたが、実は単位が足りていなかった。
これは、大学院在学中に取得した単位がかたよっていたのか、あるいは大学院があまり読み替えに積極的でないか、余程運が悪いのか、時々耳にする現象です。
②Gの現任者に該当せず、今年2017年に臨床心理士指定大学院に合格し、2018年4月に入学するが、学部が心理系以外で、単位がなく、Aになれない。
これは、大学院修了後に学部の単位を取ることができないため、指定大学院に入学してしまうと、公認心理師が取れなくなってしまうパターンです。今回の公認心理師資格試験で最も理不尽なパターンです。厚労省に、なぜ大学院修了後に、学部の単位を取れないのかと聞いても、「他の資格との兼ね合い」こんな回答しかありませんでした。
法律はこうです。
一 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)に基づく大学(短期大学を除く。以下同じ。)において心理学その他の公認心理師となるために必要な科目として文部科学省令・厚生労働省令で定めるものを修めて卒業し、かつ、同法に基づく大学院において心理学その他の公認心理師となるために必要な科目として文部科学省令・厚生労働省令で定めるものを修めてその課程を修了した者その他その者に準ずるものとして文部科学省令・厚生労働省令で定める者
これを読むと、「学部で単位を取って卒業し、「かつ」大学院で単位をとって修了したもの」と理解できます。「かつ」というのは、二つの動作を接続して並行して成り立つことを表します。よく文例で出るのは、「飲みかつ食う」「必要かつ十分な条件」などですが、ここに先後関係がないのは明らかです。この点を主張しても、「議員立法だから法律文が甘い」・・・・・何の根拠にもなっていないと思うのですが・・・「だめなものはだめ」なのだとか。「じゃあ、指定大学院に入ってしまうと公認心理師はとってはいけないということですか」と食い下がると、「また学部からやり直して、大学院に行き直せばいい」とのこと・・・どんな制度でも漏れは出るし、ある程度の犠牲は仕方がないし、まだ公認心理師の基準は甘い方で、他の資格の側からクレームが来ているのだとか・・・
とはいえ、実際に社会人で、現任者に該当せず、単位もない人は、やはり臨床心理士を目指すのが妥当かつ現実的だと思います。そこで臨床心理士として働き、実務経験を積める状況を作っておきつつ、そのルートができてから、2020年以降で3年次編入をして単位を取り、それから再度ルートをたぐって、前の職場で実務経験をさせてもらうのです。すなわちFを狙う方法がまだ残されていると考えています。そんなに簡単にはいかないでしょうが、それでも全く無収入状態で大学生になって、AかBを狙うには、時間がかかりすぎるとお考えの方は、頭にとどめておいても良いかもしれません。
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