研究に関わる人が絶対にしてはならないこと

井上博文

井上博文

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90歳 国会議員はどうだろうという投稿が話題になっているそうです。検索したら、大量に出てきました。見事なウイットネスかと思います。この記事を書いた方はしっかり読むべきではないかと思います。今の世相を順を追ってきっちり説明しておられます。いかに詭弁を弄そうとも、強弁しようとも、この投稿記事に書かれてあることは揺らぐものではありません。このマスコミが報じない加計学園問題の真相という記事は久々に驚きました。著者の方は存じ上げませんが、総理大臣系統の人を擁護したいという空気は多分に出ていますが、この記事に書いてあることは、あってはならないことばかりです。総理大臣が散々使った「印象操作」そのものです。以下、引用しつつ、強く批判します。研究に関わる人間としては見過ごせない面が多いことが理由です。

    7月10日(月)に衆参両院で、加計学園問題に関して閉会中審査が開かれた。この模様はNHKで
    9時から17時までほぼ全容が生中継されたから国民の目に本件の真相が示された、はずだ。
    しかし、実際にすべてを観た国民はごく少数であり、多くの国民は新聞、テレビでの報道を通じて、
    本件の概要を知った気にされている、と言うのが実情である。

まず、NHKで8時間報道されたのであれば、当時の視聴者の数はある程度わかるはずです。この点の数字の多寡を言うならば、概算でもいいので、ある程度の数字を出してから(この方の言葉を借りれば)「口をきいてほしい」と思います。ただし、NHKで報道されたことが真相であると断定できるはずもなく、なぜここでこれが真相だと言えるのかが、わかりませんし、かりにこれが真相だと言うならば、8時間全部見てはじめて真相がわかるという理屈になります。
また、「実際に」と言いますが、これも確認したならば、その数字を出せばいいのであって、憶測かどうかさえ不明です。したがって、この方の言う「実情」など存在しえません。
さらに、「多くの国民は新聞、テレビでの報道を通じて、本件の概要を知った気にされている」と言いますが、これは事実ではないことはそもそも明らかですから、他に言いたいことがありそうです。その後の「少なくとも日経新聞では全く報道されていないし、NHKのニュースでも観なかった」という記述から察するに、おそらくメディアが「偏向報道をしている」と言いたいように読めるのですが、かりにそう言いたいなら、そう言えばいいだけのことです。わざわざ歪めて述べる必要などありません。


    加戸前愛媛県知事は、1957年に文部省に入省し1988年に同省の大臣官房長に就任、
    89年に辞職し、1999年に愛媛県知事選に出馬、現職の伊賀貞雪知事を破り初当選し、
    2010年まで3期12年務めた方。今治に獣医大学を誘致しようと努めてきた核心の人物である。

この箇所は、この前知事のキャリアを述べているにすぎず、この前知事が誘致をしたことと、問題の加計学園が工事をしている以上、「内定」を出した人物がいるはずですが、それが不明になっていることは別問題です。最重要の問題はこの点のはずです。京産大は、内定も出ていない段階で見切りで工事に着手するには至らなかったのですから。加計学園は工事を始められるだけの根拠があったことは明白です。それを示すことが求められているはずです。

    彼に質問するのが自民党参議院議員の青山繁晴氏。氏の説明と加戸氏の説明によって、
    実は本件の全貌が白日の下に明確に示される。不明瞭な点など一つもない。
    一方青山氏は前川氏にも質問、前川氏もバカではないから何か自信をもって話すが、
    答えになっていないことがよくわかる。

かなり一方的かつひどい書き方です。結論ありきで書くとこうなってしまう典型でしょう。ましてや質問者と回答者の予定調和があったとしか思えない書きぶりですから、こんなことを書くと、余計怪しい思われかねません。また、自分の気に入らない方は「バカではないから」とバカにした物言い。誰がどう見ても偏っています。最も良くないのはここからです。

    内容を書くよりも、この40分間の質疑における加戸氏の言葉をまとめた
    YouTube映像があるので紹介する→ダイジェスト版(クリックすると開きます)。
    加計問題に関して新聞テレビからだけの知識しか持っていない方は、是非真相、
    すなわち誘致に当たってきた加戸氏の言葉を聞いてから口をきいてほしい。このダイジェスト版、
    氏の発言を直接引用してあり本筋がわかる。全部で8分強あるが、最初の4分30秒で十分。

この書きぶりが最も悪いのです。誰かを批判するのであるならば、最低限度として、自分の言葉で説明しないといけません。聞き手、あるいは読み手が、読めばわかるから、文書を出してくださいというならばまだしも、「真相を知りたければ、YouTube映像を見ろ」と読み手に指示を出すのです。この著者が最初に書いたのは、真相は8時間見てわかるということです。ここでYouTube映像のダイジェスト版だけを見ろとは、何ということでしょうか・・・当初、自分で書いたことを忘れたかのように、40分で良い。あるいはなんなら、「最初の4分30秒で十分」というのです。こんな矛盾した話はありません。それこそ、ここだけ見た人がいるならば(いては困りますが)、偏った情報しか与えられないことになります。「加計問題に関してYouTube情報しかない方」で良いということになってしまいます。ご自身が最初になんと書いたか忘れてしまったのかもしれませんが、論理も筋道もあったものではありません。こんな人に擁護されては、総理大臣もさぞ迷惑なことでしょう。
また、問題はここにとどまりません。こうやって、YouTubeを見ろ、と読み手に強要することも大いに間違っています。当たり前のことですが、言いたいことがあると言葉で伝えねばなりません。「言いたいことがある、だからYouTubeを見ろ」とは、上から目線の割には自信がないのかもしれませんが、YouTubeにそれほどの資料的価値を見いだす人は少ないでしょうから、説得力は皆無に等しいでしょう。繰り返しますが、言いたいことがあるならば、言いたい方が、言葉を尽くして、相手に全部説明することが義務です。つまるところ、この人は、自分の言葉で何一つ事実を伝えていないのです。しているのは、特定の人への誹謗中傷だけ。私も似たような経験をしましたが、こういうことを堂々と言える人がいるということは「驚愕に値」します。少なくとも、これから大学院を目指す、編入を目指すという人は、絶対にこういうことはしてはいけません。



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井上博文
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井上博文(塾講師)

株式会社コムニタス

塾長以下、スタッフが、全ての生徒の状態を正確に把握している。生徒をよく観察し、成長度合、どのような不安や悩みを抱えているか、をしっかりと観察し、スタッフ間で情報共有をしている。

井上博文プロは京都新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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