本気の言葉に触れる

井上博文

井上博文

テーマ:思考方法

ジーコの何がすごかったかという記事を見て、ジーコという人物の本気が多くの人の心を打ったことをあらためて実感しました。私自身、師匠から何度も「本気になれ」「本気に触れろ」「今、自分が本気か自分に問いかけろ」と本気に関する言葉をたくさんもらいました。本気は損得抜きが基本です。師匠が私にそんなことを言っても何の得にもなりません。そう思った瞬間に自分の何かが変わった記憶があります。だからいろんな博物館に行って、先人の本気を見てみました。
そんなこんなで、私自身、この本気にはちょっとこだわりがあります。これまでも何度かコラムでも書いてきました。
こちら
本気とは、私の考えでは、目指すべき目標があって、さらにそこには理想があり、そこに向かう意思の強さに関連すると考えられます。不安などの不健康な感情は、ブレーキになることが多く、本気を妨げます。やはり本気になるのは容易なことではなく、よくあるのは「自分は本気を出せばこんなもんじゃない」と思っている人は結構たくさんいます。これは「明日から禁煙」と張り紙をするようなもので、本気ではないことをむしろ物語ってしまっています。本気になることはしんどいことと考えている人も多いように思えます。私は幸いにして周囲に恵まれ、局面ごとにこの本気の言葉をくれる人が少なからずいました。
私が感じた本気の言葉とは(あくまで主観にすぎませんが)、まず、「自分の損得関わりなく、私の利益だけを考えた上でくれる言葉」です。その意味で非常に純度が高く、余計な邪念が入っていません。余計な邪念とは、「相手のことを考えているように見せかけて、実は自分のことだけを考えた言葉」です。ジーコは、Jリーグ発足当時、日本に来ても何のメリットもなかったと思います。すでにブラジルでは偉人であり、将来は安泰だったはずです。そのブラジルの地位を全部捨てて、日本のサッカーのために自分の全てをなげうって日本に来て、本気の言葉を連発していたそうです。すさまじい程の本気度とそのエネルギーは、私にまねできるかと言われると自信がありません。しかし、相手の心を打つ言葉が、自分の利益をかえりみず、相手の利益だけを考えて発する言葉が本気の言葉であることはある程度理解できていると思います。本気の言葉は他者に響きますから、次第に伝播します。仏教もこうやって広まったのかなあと思うことがよくあります。私も人の心を動かせるくらの本気の言葉を発せられるように心がけたいと、いつも考えています。


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井上博文(塾講師)

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塾長以下、スタッフが、全ての生徒の状態を正確に把握している。生徒をよく観察し、成長度合、どのような不安や悩みを抱えているか、をしっかりと観察し、スタッフ間で情報共有をしている。

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