公認心理師に関する報道
『人文・社会科学系大学院生のキャリアを切り拓く: <研究と就職>をつなぐ実践』(大月書店)という書籍の紹介です。高学歴ワーキングプアという言葉ができて久しいですが、今も大学院生へのキャリアサポート体制は不十分と言わざるを得ません。大学生のシューカツも悪しきものの最たるものですが、院生へのサポート不足もそろそろ何とかしていかないといけないはずです。何度も言ったことですが、博士号を出す大学は、博士号取得までのロードマップを、できたら年限と費用なども、ホームページなどで示していくべきだと思います。それぞれの大学の考えでいいので、博士号とは何であるか、それはどんな使い道があるか、それがあるのとないのとではどんな違いがあるか、取得すると、人生にどんな彩りがあるか、具体的、抽象的両面から示してもらいたいと思います。これまでの数名の大学事務職員の人にこの話をしたのですが、中には「そうすべきです」と言ってくれる人もいますが、たいていは、「うーん・・無理かも」という返答です。こちらも参照ください。
本書は、そんな数少ない、大学側の見解としての大学院生のキャリアサポートという観点から書かれた良書です。特に社会科学系の名門一橋大学の取り組みが紹介されていますが、大変参考になります。「一橋大学の例をもとに、修士修了での就職、大学教員を目指す道、日本での就職を希望する留学生大学院生について、キャリア形成と支援のために編まれた書」となっており、ありそうでない観点から描かれています。
「20年前の人文・社会科学系での大学院進学は研究者か大学教員になる道を意味していた。その後大学院重点化の影響で急拡大した大学院修了者は、研究職需要減によってポス・ドクが急増した。現状では修士課程修了者への指導は成り行き任せが一般的」
この指摘も重みがあります。他人事ではありませんが、時代刻々と進んでいることを示します。大学も変わらねばならない時が来ているはずです。
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