じゃあどうする?のかを考える-方向性を決める

井上博文

井上博文

テーマ:思考方法

論文を書くときや、議論をするとき、幸いにして日本では自由に意見が言えます。
しかし、他人を根拠なしで誹謗中傷する輩がたまにいますが、
根拠を出す責任は意見を言う側にあります。根拠が出せなければ
社会で生きていけなくなってしまいます。
因果応報が世の法則だとすれば、その報いを自分が受けることになるでしょう。

選挙が近いですが、民主党政権はそれで衰退したとも言えます。
あまり下品な与党批判ばかりしていると、いざ自分が与党に
なった時にどうしようもなくなってしまうのです。
言い放しは所詮は甘えです。誰かが許してくれる、誰かが聞いてくれる
誰かが自分のことをわかってくれるという甘えです。
例えば、「消費税を上げる前に、無駄使いをなくすべきだ」
という至極当たり前の意見に多くの人は喝采を送ったはずですが、
結果として、何もできなかった場合、誰も許してはくれず、
恨みとなって自分に返ってきたわけです。

現在では、何かを言う時には、方向性として、「じゃあどうする?」
ということを出すことが求められます。言うだけ番長はもはや何の説得力もありません。
私たちの子どものころは、北朝鮮は拉致などしていないという政治家もいましたし、
著書では消費税10%を主張しながら、選挙前に消費税をゼロにしろいう人もいました。
でも今はこういった人は見向きもされません。以前とは時代が変わったということでしょう。
こういった時代の変化は、私たちの業界にも生じています。
添削をして、ここがいけない、こんな書き方ではダメ、と言うのは簡単ですが、
じゃあどう書けばいいのか。この点が指導者に求められることになります。
指導者は文字通りリーダーですから、どういったところに導くかを明確にしておく必要があります。
小論文で見られるポイントというコラムでも触れましたが、
賛成か反対かはあまり重要ではなく、なぜ賛成になったか、あるいは反対になったかが
テストでは重視されます。できるならば、その先、賛成、あるいは反対して、
それで、どうすべきなのかを主張することが必要だということです。
その方向性が決まった形での賛成論と反対論は、どこまでも議論すべき問題になります。
これは簡単に決着をつけるべきことでもありません。

メディアはよく「決められない政治」と批判しますが、方向性の定まった議論は
簡単に決められる問題ではありません。この国は結局どんな政権になっても
明確な将来設計を描いてこなかった結果が出ています。そんなことを
政治に期待すること自体が間違っているのかもしれませんが、選挙ともなると
投票権という権利を持つ以上、私たちもまじめに考える必要があります。
選挙では何が争点になるかはわかりませんが、例えばアベノミクスとやらを批判するのなら
「失敗だった!」と叫ぶだけでは何も意味がありません。
よもや「取り返しがつかない!」と叫ぶ人などいないでしょうが、
この後何をすればどうなるのかを明確に出せれば、意味をなすようになってくるはずです。
今更反対だけ叫ぶ候補者はいないと期待したいところですが、
将来像をできるだけ明確にビジョンとして示せる人が出ることを願っています。



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井上博文(塾講師)

株式会社コムニタス

塾長以下、スタッフが、全ての生徒の状態を正確に把握している。生徒をよく観察し、成長度合、どのような不安や悩みを抱えているか、をしっかりと観察し、スタッフ間で情報共有をしている。

井上博文プロは京都新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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