京都コムニタス講演会が開催されました。
経済協力開発機構(OECD)が2013年に実施した
国際教員指導環境調査(TALIS)の結果によれば、
日本の教師はかなり多忙と言えそうです。
精神疾患で退職する教師も2012年で969人とかなりの人数にのぼります。
これは多忙が原因と一般に言われています。
当塾にも毎年臨床心理士になることを志して、
現役教師、元教師の方が来られます。今年も数名おられます。
しかし、どの方も基本的には自分は多忙だとはおっしゃいません。
だから、多忙であることは、受け容れておられる方が多いと見受けられます。
多忙以上に教師を疲弊させるのは、漠然とした負担感だそうです。
この負担感は幅が広く、論文を探しても、あまりしっくりくるものが
見当たりません。教師の負担軽減と言えば、例えば、パワーポイントを
授業で導入することで、紙を印刷する手間が省けるといった、
仕事の負担、つまり量を、減らすといった観点から語られています。
結局多忙と負担が同義のように捉えられていると思われます。
しかし、必ずしも同義ではなく、多様な責任を与えられていること、
モンスター(失礼かもしれませんが)の対処をしないといけないこと、
生徒や家庭のあり方の多様化に適応しないといけないこと
などなど、単なる多忙とは少し意味の違う負担感こそが、
教師を疲弊させているということに目を向ける必要がありそうです。
大学の先生も同じです。
今やどこの大学の先生も、専任になったら研究ができなくなった
と言うくらいに、様々な仕事(主に会議)に忙殺されます。
この本末転倒は負担感を生じさせています。
私の師匠も、周囲からは「身体は大丈夫なのか?」
ということばかり問われます。
学校の先生も、大学の先生も、一度本来の職務に専念できる環境を
作り直すこと、不要な負担をかけすぎないことが必要だと思います。
この国の教育や研究のあり方を見直す声はたくさんありますが、
まずはここから見直すべきだというのが、私の考え方です。
大学では、例えばドイツなどはよく行われていますが、教える人と、
研究する人を分けるということは必要なことだと思います。
私は京都コムニタスにおいて、教えることに専念できていますので、
多忙ではありますが、幸せな方かもしれません。
意味不明な仕事やこまかい事務仕事に忙殺されることはありません。
忙しいだけで余計な負担感はありません。
これはスタッフが優秀であることが要因です。
大学はどことも校舎を新築したり、新しい学部を作ったり、
新しい場所に新規店舗を出したりと、一生懸命ですが、
中味は、いついかなる時でも人です。大学を作るのは人以外ありません。
人にお金をかけていると周知されるなら、そこにさらに人材は集まってきます。
そこに良い循環を生み出す鍵があるはずです。
一度、大きく制度を見直す時期に来ていると思います。
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